昨夜の米国株式市場は1990年11月ぶりの6％強の名目CPIと二日連続の長期国債入札不調を受け大幅安。なおどさくさに紛れてショートセラーっぽい投資家から中国恒大集団の破綻を煽るプレスリリースが出され、全体が久しぶりに大きく揺らいだ。

特に昨日の10年債、今日の30年債の入札不調が印象的であり、PPIにつづきCPIの発表で債券投資家の価格センシティビティーが高まっていることが伺える。

CPIに関してツイッターで纏めておりご覧ください：
[https://twitter.com/aminimaz/status/1458428494627565569](https://twitter.com/aminimaz/status/1458428494627565569)

中国恒大集団の報道についても今朝報告しているのでご確認ください：
[https://twitter.com/aminimaz/status/1458533085616631808](https://twitter.com/aminimaz/status/1458533085616631808)
[https://twitter.com/aminimaz/status/1458561926447845376](https://twitter.com/aminimaz/status/1458561926447845376)

さて、本題へ。

昨日の米国金利が全体的に大きく上昇し、相変わらずフラット化（短期金利が相対的に長期よりも上がる）が進んだ。利上げの前倒し観測が強まる一方、中央銀行による政策ミスの可能性や金利上昇による景気後退の懸念から短期・中期（2年～7年）金利が平均的に11bps程度上昇したのに対し、10年～30年金利は8bps～9.9bpsに留まった。

その中で一番動いたのが5年と30年金利のスプレッド（30年金利－5年金利の金利差）。

これは債券市場の中のひとつの有名なインジケーターであり、 **過去100年間のすべての景気後退を予測した指標！！！** と言われている…（「ほんまかいな」と思っているあなた、正しいですよー）。

**正確にいうと、「過去100年間、10回の景気後退局面のうち、20回正確に予測できた」スプレッドであるｗ。**

言葉だけじゃわかりづらいから愉快な天使と悪魔たちを交えたチャートを作ってみた。

![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/7cd4e288-e5f1-4114-ab60-35ed8545d339)
見て頂ければ、1977年以降、確かに5回の景気後退局面前に5-30のスプレッドが大きく低下している。ただし、ほぼ五分五分。

最後の矢印は「いまここ」。

株式市場よりも「実態を反映するはず」の債券市場に動揺が走っているが、混乱している市場から上がってくる指標を注意しながら来年へのヒントをこれからも探していきましょう。

【2021.11.11】11月11日はイ…、イ…、イ…、インフレの日？！景気後退インジケーターの検証！