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【2022.01.04】2022年は資産インフレ、物価インフレ、金融政策、金利、不動産、レバレッジ収縮vs拡大、と変数の多い年に。
icon2022年1月4日
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あけましておめでとうございます! モーニングコメントから改めて、週2回の投資家コーナーとして、私たちが注目してるマーケットや銘柄について話していきたいと思います。今年もよろしくお願いします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 年明け早々に米国金利は大きく上昇しており、今さら利上げを織り込みに向かってるような展開となっている。気づけば長期金利も1.64%という水準にまで戻った。株価含めてコロナ前の水準をとっくに回復している中で、金利だけがコロナ前よりずっと低い水準であったが、12月のFOMCでも金利は動かないなどそのギャップが広がる中、ようやく金利も同じ絵を見始めたような動きとなってきている。 金利の絶対値は引き続きまだ低い上に、これまでも実際のイベントが近づいて来ないと反応しないことも多かったので、上述の通り今さら感はあるものの、こうやって何かがキッカケで上昇することには違和感はない。今年のマーケットの注目点は、アメリカのインフレがどこまで続き、賃金上昇や雇用者数含めて、どういう着地を見せるかであろう。 ただ個人的には、日本にもこの流れが波及するかどうかに注目している。先月の24日に発表された11月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が100.1と前年同月に比べて0.5%上昇と、1年振りの高水準だった。 (↑総務省発表資料より抜粋。https://www.e-stat.go

【お知らせ】1分間モーニング投資コメントの休刊及びリニューアルの予定
icon2021年12月23日
icon2021年12月23日(編集済み)
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本日のコメントが今年最後のコメントとなります。 今年4月から私と斎藤が毎朝ここに株・為替・仮想通貨等の投資家の皆様のためになる情報を提供してきましたが、来年からは少し頻度を落とし、より深くマーケットの動きだけに囚われない形で新たなコンテンツをユーザー・閲覧者の皆様に届けたいと考えております。 これまでのお付き合いを誠にありがとうございました。 そして来年からの再スタートをお楽しみに。 良いお年を!

【2021.12.23】学生ローン返済免除措置延長:ステルスばらまきの継続
icon2021年12月23日
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昨夜の米国株式市場はオミクロン株の低毒性に関するデータ発表を受け、二日連続上昇。今週は私も素人の観点で共有したが、英スコットランドと南アフリカの調査でオミクロン株の入院リスクがデルタより約80%低いことが判明された。ここまで前提条件が激しく動いているのに金利がほとんど動いてないことがかなり気になるが、年末までにこの停滞感が続く可能性が高いだろう。 本日は昨夜に報道されたバイデン大統領の学生ローンに対する大統領命令を深堀してみたいと思います。 バイデン大統領はコロナショック後に導入された学生ローンの返済・利払い免除措置をさらに3カ月延長し、1月末に期限を迎えるはずだったモラトリアムが5月1日まで延ばされた。 足元の米国の高インフレ状況を作り出したのは、言うまでもなく前代未聞の金融緩和と、同時の前代未聞の財政政策(=ばらまき)。後者のばらまき以下のような形で実施されてきた。 * 現金給付 * 特別失業手当 * 住宅の差押禁止令、立ち退き禁止令 * 企業向けの各補助金制度 上記とは別に、社会問題化している学生ローンの返済・利払いの免除(=モラトリアム)も導入された。 学生ローンの残高は年々に増え、現在は約1.7兆ドル(=125兆円)まで膨張している(下図)。2000年はじめの水準の約6.6倍の規模に膨らんできた。 その残高の増加の背景に、大学費用のインフレがある。今回の40年ぶりのインフ

【2021.12.22】中国最大の不動産会社は地方政府だった?引き締め一辺倒の修正が始まる。
icon2021年12月21日
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昨晩の米国市場は急上昇。金利も上昇し、典型的なリスクオン。日によって気分がかわるマーケットが続いている。バイデン大統領が経済封鎖に対して否定したことがキッカケであろう。マーケットはオミクロンそのものよりも、それに起因する政策に懸念していたわけであり、欧州のようにまたしてもロックダウンとならないのであれば、安心して買えるとなったのかと思われる。 まぁこういう相場に毎日真剣に寄り添う必要はないので、繰り返しとなるが少し長い視点でものを見ておけばよさそう。ポーズでも過剰にしがちなコロナ対策はリスクとしてあるが、特に金融政策を先に正常化させるべく動いているのだから、政策もそれに沿った経済重視なものにしないとコロナ対策によってコロナ以上の弊害が出る。ということくらいはわかっているよ、ということが米国では確認できたことが昨日の収穫なのかもしれない。もっとも、同じ信頼を日本におけるのか?と言われると、支持率状況で政策が変わりそうでもあり、金融政策を先だしすることは難しそう。日本ではインフレ自体がまだほとんど起きていないのでその必要性すらないが、黒田さんも選択肢が多くない、難しい展開が続きそうだ。 話変わって、やや世間から興味が失われつつ中国の不動産市況だが、どうも中国政府は11月後半から不動産業界への引き締め一辺倒から緩和の方向に舵を切りだしている模様。これまで三条紅線(スリーレッドライン)と呼

【2021.12.21】南アでオミクロン株感染者数が減少に転じ始め。レジャー関連の妙味。
icon2021年12月21日
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昨夜の米国株式市場は3営業日連続の下落。ナスダックは2か月ぶりに100日移動平均線を下回り、中小型中心のラッセル2000も8月以来の低水準。オミクロン株感染者数増や、ウェストバージニア州マンチン議員の不支持で民主党の大型歳出法案が今年中に議会を通過する見込みがなくなったことで買いが入りづらい展開となった。 12月に入ってから個人的に久しぶりに日本株に対する投資を増やしてきた。理由は以下の通り: * 先日共有した日米の相対的バリュエーションの歴史的低水準 * 低インフレのおかげで大規模の財政政策が打ちやすい * 増税というネガティブ要素が最近話題となっているが日本株を大きく売り込める投資家層が限定的 その中でも注目しているのが、誰も触りたくない旅行・航空・レジャー関連。 南アフリカは懸命にオミクロン株の低毒性を訴えているが、コロナPTSD症状となっている各国は現在その報告に聞く耳を持っていない。私の勘違いかもしれないが、1か月経ったところでWHOが認識しているオミクロン株による死者がたった一人。 私は何よりもデータを重視する人間なので、そのデータをみる限り、南アの医療関係者が毒性について仰っている内容がその通りだと思われる。 実際に南アの感染者と死者数の推移をみると、これまでの3回の感染者増の局面において死者数が約1か月後に急に上昇。感染者数がピークを打つタイミング(赤い線)で死者数

【2021.12.20】どうせ濃いところでリスクを取るのなら。
icon2021年12月19日
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金曜日の米国市場は、ダウ、S&P中心に下落。その前日のNASDAQ中心のグロース株下落から交代で売られることとなった。テーパリング加速と利上げの前倒し観測の話題から再びオミクロン株のへの懸念が台頭し、混乱というよりかは、もはや売る理由があれば何でもいいような状態となっている。結果的に金融引き締めの割には金利はさらに低下することとなり、金融株も売られることとなった。 短期的には整合性の取れない動きとなっているため非常に読みづらい展開となっているが、オミクロン株を理由に下落するのであれば関連銘柄は再度拾うチャンスだと思っているし、金利も遅かれ早かれ上がるのであれば金融株も保有しておけばいいと思っている。ただしあまりまともな動きの相場でもないので財布に余裕は残しておきたく、2週間以上前のオミクロン騒動時まで下がるかそれを割る水準になるまでは、打診買い程度でもよさそう。 やや濃いリスクかもしれないが、ホテルリートのJHRなどがもう一段下がるなら長期目線で買ってみてもいいかと考えている。オミクロン騒動もあり年初来安値にまで下がってきているため、ホテル復活の期待値がなくなるのであれば買ってみたいと思っている。ホテルはコロナ後の世界を狙って不動産ファンド等による買収の可能性だってあり得ると思っており、すべては値段次第だが個人的にはオフィスよりも面白いと思っている。今年の分配金利回りは、たったの0

【2021.12.17】利上げがリアルになったが市場の動きにあまり変化なく。
icon2021年12月16日
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昨晩の米国市場は、全体的に下落。とくにNASDAQが大幅下落となった。FRBがテーパリング前倒しを決定し、テーパリング終了後の利上げが意識されてバリュエーションの縮小に嫌気がさされた展開となった。FRBが具体的なアクションをしても問題ないようなポジションを考えてはいたものの、実際にアクションするとは個人的には思ってなかったのでちょっと驚いた。もっともその後の株価の展開の方が驚きでもあり、初日の反応は素直に外したと思う。 引き締めが織り込まれたというにはほとんど下がってないような水準であり、不透明感からの脱却として買われた初日の反応は意外であったが、さすがに昨晩はしっかりと高バリュエーション株が売られ金融株が買われる展開となった。1日遅れてようやく少し理解しやすい展開となっている。 一方で債券市場はほとんど動いていない。金利も結局はほとんど上がっておらず、先高観はあるにせよ現時点では低金利でとどまっていることは株式市場にとっても下支えになりそう。また金についても発表後は下げていたものの昨晩は価格を戻しており、引き締めや利上げの影響は今のところない。ビットコインも同様。 ということで、政策発表から市場の反応に至るまであまりかみ合わなかった一週間であったが、幸い下がったわけでもなく、あとは昨晩のようにグロースというよりバリュー株や金融株が上がることに期待といったところ。もう少し時間がたっ

【2021.12.16】FOMC総括!テーパリングは?!ドットプロットは?!
icon2021年12月16日
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本日は火曜日のコメントに書いたFOMC前の各項目の結果・発表について解説したいと思います! ご参考まで火曜日に書いたコメントは こちら です。 テーパリングが!! 多くの市場参加者の予想がペースの倍増だったのでその通りの結果となった。そういった意味で サプライズはなし 。毎月150億ドルの減額を300億ドルに増やし、2022年第一四半期に終了する見込み。次に紹介するドットプロットで想定以上の利上げ回数を示したのに対し、 市場の利上げ織り込みがまだ進んでおらず消化にもう一日、二日くらい時間かかりそう 。 火曜日に紹介した翌日金利のカーブが動いたが、9月限月で2回(0.5%に)となり、12月限月も3回(0.75%に)に近づいた。 ドットプロットが!! テーパリングの増額に対し、 ドットプロットは実はサプライズであった 。2022年に関しては元々1回の利上げだった観測が3回に増加し、火曜日に紹介した「2022年に2回以上や2023年に1%強」のサプライズとなる水準を上回る結果となった。2022年の金利予測の中央値が0.3%→0.9%、2023年が0.6%→1.6%に上がり、 近代見ないような急激なシフトを表した。 下図に前回のドットプロットを薄く、今回のを濃く表しているが、2023年及び2024年の各自の予想値の著しい変化が一目瞭然。 2024年に関して、1年前に「利上げない!」と言って

【2021.12.15】FOMCの予行演習?ようやく金利が少し反応し金融株が強い。他、レーサム。
icon2021年12月14日
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米国株式市場は下落。昨晩発表された11月の卸売物価指数は前月比0.8%上昇、前年同月比9.6%上昇と、市場予想である前月比0.5%上昇、前年同月比9.2%を超えるもので、卸売指数から遅行してCPIに反映されていくことを考えると当面のインフレはやっぱり予想より強い?ってことで、昨晩はFOMC懸念ということで売られた。 どのみち今晩には出てくるわけなので直前の動きにあまり意味はないのだが、多少警戒感を持った形でイベントを迎えるほうがFOMC後の動きはマイルドになりやすい。そしてようやくではあるが、FOMC警戒によって金利は上昇した(といってもわずかではあるが)。昨日は株式市場の懸念と債券が久しぶりに一致した動きを見せ、指数は下落する中でも金融株は逆行高をしており、これまで言い続けてきた金融株を組み込んだポジションというものがワークしていた日であった。そういう意味では昨晩の市場は、FOMCで何かしらアクションがあった時のマーケットがどう動くかの小さなテスト、と言えて一応の手ごたえは得られたといったところ。 あとはFOMCで市場が下がったときに何を買うべきかイメージしておくくらいだが、案外シンプルに円安メリットの大きい会社の株をちょっと買ってみるというのもいいかもしれない。 全く話が変わるが、不動産会社のレーサムをほんの少しだけ見始めている。最近創業者が退陣し、株式も設立した一般社団法人に

【2021.12.14】FOMC前の市場予測の徹底分析!何があったらサプライズとなるのか?!
icon2021年12月14日
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昨夜の米国株式市場はオミクロン株によるロックダウン懸念やFOMC前のポジション調整からナスダックを中心に下落。金利の低下が大きく、長期債が約6~7bpsずつ下がった。みんな大好きなアップル(AAPL)は寄り付き、一瞬ほぼ3兆ドルの時価総額を達成したが、そこから急落し一日の終わりに2%強下落。ドル指数が上がり、ビットコインも約3か月ぶりに200日移動平均線まで下落。 本日は大注目のFOMC前に、市場が注目しているファクターを見ていきたいと思います。 市場の注目は大きく、二つの発表に集まっている: * テーパリング(資産購入の段階的減額)ペースの変化の有無と、 * 将来の政策金利を占う各自のドットプロット その次に FOMCメンバーのインフレやGDP予測 のアップデートも注目されている。 記者会見で パウエル議長の発言が前回対比どれほどタカ派シフトしているか も市場に大きく影響を与えるだろう。 それぞれを少し深堀していきましょう。 テーパリングをどないすんねん?! 前回のFOMCでテーパリングが発表された際、 毎月150億ドルの減額に設定され、 約8カ月 (毎月購入金額の1200億ドル/150億=8カ月)で終了する見込みであった。今回のFOMCにて市場の注目は この減額のペースが倍増されるかどうか に集まっている。 テーパリングの議論は一般的に市場からの流動性引き上げも意味するが、 利

【2021.12.13】市場予想通りのCPIでFOMCへの懸念も後退するマーケット
icon2021年12月12日
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金曜日に11月の米国CPIが発表された。前年同月比+6.8%と市場予想通りの結果であった。10月の+6.2%から加速し、約40年ぶりの大きな伸びとなっているが、市場予想と変わらなかったことから、今種控えるFOMCに影響を与える指標の割には金曜日の米国市場はそれほど大きくはCPIに反応しなかった。 マーケットの受け止め方としては、FRBがより積極的にインフレを抑えにいくアクションをする結果ではなかったとのことのようだ。金利はほぼ変わらず。この2週間で乱高下していたが、それでも金利はまだ下がったまま戻しきってはおらず、その中でCPI発表後もフラット~やや微減という状況であるため、今週水曜日のFOMCではパウエル議長が追加的な金融引き締めをするとは全く思っていなさそうな水準といえる。多少のコミュニケーションの調整は織り込み済ということだろうか。 株式市場も上昇。より積極的な金融引き締めが少なくとも水曜日にはないということであれば、安心感から買いの継続に繋がったのだろう。S&Pは最高値をさらに更新する結果となった。日本株が週の後半に利食いの売りや警戒感からの売りが出ていたことに比べると、相変わらず非常に素直というかポジティブなマーケットである。 水曜日のFOMCがおそらく年末までの最後にイベントであろうが、そこでは何もないということがコンセンサスになりつつあるのであれば、やはり金利上昇が起

【2021.12.10】来週のFOMCに備えて
icon2021年12月9日
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昨日の米国市場は、ダウはフラットだったが、NASDAQが下落。高バリュエーション株を中心に下落していることから、やはり今晩のCPIの動向や来週のFOMCの動きが警戒され始めている模様。いったんオミクロン相場は終わりということで下で買った分の利確はしておいてもよさそう。もっとも債券市場はそうなっておらず、利回りは再度低下している。 今晩のCPIで何が出たらどうFOMCが変わるか、というのも難しい話だが、予想を大きく下回る結果とかでもない限りは市場の警戒感はFOMCまで続きそう。ではFOMCで何かビッグサプライズがあるか?と言われると、実際のところはそうでもないような気が個人的にはしている。テーパリングの加速にせよ、利上げへの何らかの言及にせよ、それがあったところで、それらはいつかは起きる話でもあり、短期的な混乱はあるにせよこの話だけでマーケットが長期低迷するとは考えにくいと思っている。 やや気がかりなのは、イギリスがより厳格な制限措置を導入するとしたところ。オミクロンの実態がまだ正式にはよくわかってないものの、懸念するほどのものではないという声が聞かれ始めている中では、より厳しい措置となっている。オミクロンの医学上の実態がどうであれ、取られる政策が厳しいものになれば当然景気にはよくない。その分政策でカバーされることが前提となってくるが、オミクロンへの評価や対策の方向性が語らまない時に

【2021.12.09】記事の深堀:70年ぶりの株式益利回りショック?!
icon2021年12月9日
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昨夜の米国株式市場は、ファイザー製ワクチンの3回目の接種でオミクロン株に対する免疫反応が確認できたことで再び上昇し、オミクロン下落前の水準を回復した。ただし金利の戻りが鈍く、オミクロン下落前に1.66%だった10年金利は1.52%にとどまり、金曜日のCPI発表で大きく動く可能性が残る。 本日は印象に残ったブルームバーグの記事を深堀したいと思います。 記事ではバンカメ調査でS&P500の実質株式益利回りが1947年以来の低水準を記録したと報道された。同社の調べで現在の実質株式益利回りが-2.9%であり、利益が大きく成長しない限り株を保有することでインフレ考慮後に期待収益が著しくマイナスであることを意味する。下図にブルームバーグが算出した実質株式益利回り(=-2.34%)を表示しているが、バンカメ調査と同様の歴史的低水準である。 おさらいのため、実質株式益利回りを説明しましょう。 株式益利回りはPER(株価収益率)の逆数であり、一株当たり純利利益/時価総額で求める。例えば、時価総額1000億の企業が100億の純利益をねん出している場合、株式益利回りが100/1000=10%となる。その企業は市場に与えられている価値(=時価総額)に対し、10%のリターンを挙げていることになる。すなわち投資家として10%の収益を期待できる。 実質株式益利回りはそれからインフレを差し引いて、インフレの潜在的

【2021.12.08】オミクロン株騒動、年末最後のバーゲンだったのか?
icon2021年12月7日
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株式市場は大幅に上昇。オミクロン株の状況が徐々にわかるにつれて、毒性は低く脅威ではないことがわかり始めたので徐々に懸念は後退している。詳細が判明するまではしばらくかかるだろうが、やはりオミクロン株騒動は単なる買い場提供に終わりそうな雰囲気ではある。あとは今月のFOMCくらいだが、こちらもある程度タカ派のメッセージがきたところですでに織り込まれているともいえる。ただ金利はまだ低い水準にとどまっていることから、FOMCが近づきよほどハト派なメッセージでもない限りはもう一段上はあり得そう。 月曜日にも書いたことだが、この観点で言えばFOMCの後押し?という視点でも金利の方がさらに上に行く余地はありそうなので、この2日でだいぶ戻したものの金利敏感株は他比較でもう少し上があってもよさそうか。この1-2週間で買ったものは全体が戻すにつれて利確していくべきだとは思うが、一部は金利敏感株にスイッチして持っておく予定。 この1-2日はオミクロン株騒動の反動相場となっているので、逆に追加ニュースも少ないし言及する内容も特にない。あまり短期的なトレードはしないものの、今はオミクロンとFOMCと割と短期で決着というか動きがある相場でもあるので短期的な予想とトレードの予定を想定しておいたほうがよさそう。 FOMCネタがやや忘れ去られているか、もう十分織り込まれたと想定されていると思うのが、FOMC直前には警

【2021.12.07】日本株は捨てたもんじゃないよ!
icon2021年12月6日
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昨夜の米国株式市場はリフレーション及びオールドエコノミー銘柄を中心に大きく値上がり。南アから出ているオミクロン株に関連する速報は恐れていたより軽い毒性を示しているのでその安心感からセンチメントが回復中。株式の上昇を受けて金利も久しぶりに大きく上昇。カーブがスティープ化し、20年~30年の長期金利が9bps強上がった。先週暴落していた旅行やレジャー関連銘柄の値上がりが特に堅調だった。 本日は少し話題を変えて、日米の株価の相対的バリュエーションをみてみたいと思います。 ツイッターでもこのコメントでもよく米株の話やネタを紹介するが、14年間のプロ時代において日本株の運用をメインに手掛けていた。非常に馴染みのある市場であって、魅力的な企業及び銘柄も多い。 そしてその日本株が今、過去10年間を見渡すと相対的に最も割安の水準に放置されている。 2013~2014年以降をみると米株は多くの資金の受け皿となってきた。GAFAM等の高成長銘柄が世界中の投資家の心をつかみ、構造的な右肩上がりの大相場が築き上げられてきた。なおコロナ後に行われた前代未聞の金融緩和を皮切りに米株が益々評価され、テック中心のナスダック指数がドットコムバブルを超えるバリュエーションで評価された。 さて、現在はいかがでしょうか。 上図にて日米の相対的なバリュエーション(=予想PER=予想株式収益率)の推移を表している。現在のS&

【2021.12.06】下がり続ける金利。オミクロン株懸念が後退したら急上昇もあり得るか?
icon2021年12月5日
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11月の雇用統計が金曜日に発表。非農業部門雇用者数が前月比+21万人と市場予想の+55万人を大幅に下回った。一方で失業率は4.2%と前月の4.6%からさらに低下し2020年2月以来の低水準となった。なお、10月の雇用者数の増加は54.6万人と当初の53.1万人から上方修正されている。賃金も引き続き上昇。前月比+0.3%、前年同月比+4.8%となった。雇用者数の増加幅はそう大きくはないが、失業率の低下と賃金上昇の継続からテーパリング加速の議論に支障はないとの声が大きい。12月の金融政策決定会合でテーパリング加速について検討すべきとパウエル議長は先週証言している。 これをうけて米国株式市場は序盤こそ上昇していたが、雇用統計発表後にテーパリング加速を警戒して下落へと転じた。一方で金利は逆の動きとなっており、雇用統計発表後に上昇したが、全体的なリスクオフの流れや景気悪化を懸念して最終的には大きく金利は下がっている。利上げを織り込みにいく動きにはなっておらず、来週の決定会合後の展開が待たれる状態となっている。 そんな中で、リフィニティブのデータによると、S&P500の企業の今後4四半期(21年第4四半期─22年第3四半期)の業績予想に基づくPERはは21.2倍と発表された。PERの水準だけで言えば割高と言えるほどの水準にもなく、あとは業績が予想通り達成できるかどうか次第となっている。2021

【2021.12.03】値動きの荒い展開が続くが、落ち着く先を見据えて個別株を見る
icon2021年12月3日
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昨晩の米国株式市場は大きく上昇。これといったニュースがあるわけでもないが、オミクロン株への動揺が始まって以降大きく売られていたバリュー系や旅行系の銘柄が反動で大きく買われることになった。相変わらずオミクロン株に対しての懸念と消化が定まっておらず、値動きの荒い展開となっている。そこに輪をかけて、FRBのタカ派なメッセージも効いているのだろう。平時であれば、まぁそうだよね、というレベル感の話だがオミクロン株への懸念のせいでマーケットも冷静な評価が出来ていないように思う。 繰り返しであるが、オミクロン株による経済への打撃があるのかないのかで政策の方向性も変わってくるし、現時点では影響が読めないので影響がないのであればという前提の会話に過ぎない。もっとも、オミクロン株の経済への影響、というよりそもそもどれほどの脅威なのか?というのも、現時点では感染者数の拡大に比例して重症者や死亡者が増えているという話はあまり聞かない。もうあと2週間ほど最低でも必要なんだとは思うが、重症化率や死亡率が減少するのであれば、感染者数が増えても大した問題でもないだろう。そうなれば経済への影響もそもそも大したことない、という可能性も十分ある。 日本株も個別株をみると売り込まれている銘柄が非常に多い。今週はレジャー系を仕込んで半年寝てたらいいのでは?と話したが、他にも賛否両論ありそうなソフトバンクグループなんかも気に

【2021.12.02】オミクロン株の広がりで供給網逼迫と賃上げ圧力が再び加速しそう。観光関連銘柄の暴落。
icon2021年12月1日
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昨夜の米国株式市場は米国内オミクロン株の検出報道を受けジェットコースターのように高値から切り返し大きく下落。S&Pは一時1.9%上昇していたが、その水準から3%下落して取引を終了。ナスダックも同様に1.8%上昇の水準から3.6%値下がり。パウエル議長は証言二日目の発言は昨日のタカ派姿勢を維持したが、リスクオフ懸念から金利が大幅に低下。 昨日発表されたマクロ指標は引き続き景気拡大を示した。明日の雇用統計前のADPの+53.4万人は市場予想を上回り、3か月連続50万人以上の勢い。製造業のISMは市場予想をやや下回ったが、61.1と先月の60.8から改善し、2000年以降ほとんどなかった60強の水準を維持した。 オミクロン株蔓延で12月1日の南アにおける感染者が一昨日の水準の約倍となり、検査の陽性率が16.5%に上昇。11月中に検出された陽性者のうち、74%がオミクロン株でデルタ株を上回る。今後数週間でオミクロン株の感染力及び重症化リスクがより明確になってくるだろうが、それが判明前でも各国がすでに実施している対策の経済への影響が顕在化するであろう。 オミクロン株は言うまでもなく、インフレ圧力を加速するポテンシャルがあり、労働参加率を低くする影響を及ぼすだろう。さらなる賃上げの要求や、転職率の上昇がつづくと、より根強いインフレ圧力がますます定着する。それを背景にこれまで行ってきた大胆な金融

【2021.12.01】FRB議長のタカ派発言?
icon2021年12月1日
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昨日の米国株式市場は大きく下落した。先週金曜日末の下落後と比べて、ダウとS&Pが1%近く下回る水準となり、一方でNASDAQは金曜日末より0.3%ほど上昇している。FRBのパウエル議長がインフレについて一過性ではない可能性があると言及したことや、テーパリングの加速についての議論を検討すると発言したことで、予想に反してタカ派であったことが下落の大きな背景。オミクロン株への懸念がある中でのタカ派発言となり、マーケットは混乱することになった。 もっともパウエル議長自身も、オミクロン株についてはこれらの発言や見通しに含まれていないと言っており、オミクロン株が経済に与える影響について今後の詳細情報を待つと言っている。つまり、オミクロン株が経済に影響を与えない、というより考慮しない前提での上記の会話であり、影響が与えるなら当然話も変わってくるだろう。そのため、オミクロン株と金融引き締めの両方を懸念するのはナンセンスだと引き続き考えている。 月曜日のマーケットコメントでも書いた通り、この一連の混乱は過剰反応だと思っており、日経平均が28,000円を割ったところからヘッジの先物の売りのカバーを始めている。現実はオミクロン株の影響はそう大きくないという結論になると予想しているが、影響が大きくなるのであれば政策のサポートをせざるを得ない局面が出てくると考えている。インフレはもちろんリスクではあるが、イ

【2021.11.30】コロナ禍時代の特徴
icon2021年11月29日
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昨夜の米国株式市場は金曜日のオミクロン恐怖を払拭してナスダックを筆頭に大きく反発。下がっていた原油や長期金利が上昇し、VIXも大幅下落。南アの医療関係者がオミクロン株の重症化リスクに対して前向きな発言をしたことが好感され、金曜日に広まっていた不安が沈静化した。 私は長く相場に関わってきた身として日々の値動きに意味を見出そうとする癖がある。大体の場合は需給やポジショニングだけで決まってしまうのを理解しつつも。金曜日と今日のような値動きを見ると、思わず「相場はオミクロン株の感染力や重症化リスクに対して何かを知っているかも!」と思ってしまう。実態はもちろんより簡単であって相場は何も知らないまま、買いと売りが出会う価格でひたすらと上下しているのみ。要はプロでもボラティリティに左右される。 そして今の相場にボラティリティが豊富にある。 コロナ禍時代の一つの特徴は、極端な、大胆な行動に対する抑制が効かなくなっていること。 いわば決断のボラティリティ。 2年前まで、副作用や変異株の発生を懸念しワクチン開発は10年間かかると言われてきた。今はオミクロン株に対するワクチンを100日以内に出荷できると、ファイザーやモデルナが発表している。いうまでもなく短期間で成し遂げた技術革新は凄まじいが、オミクロン株の分析が始まったばかりのタイミングですでに出荷に向けた準備をしていることに違和感を感じざるを得ない。