株価(2022/10/13) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
7,120円 | 1,230億円 | 54.2% | 21.3% | 12.8% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
9.6倍 | 5.4倍 | 2.0倍 | 1.54% | 4.7倍 |
【2023年2月期2Q決算結果】
ローツェの2023年2月期2Q決算の結果は
売上高(累計) | 457億円 | 前年同期比55.1%増 |
営業利益(累計) | 109億円 | 同63.6%増 |
四半期純利益(累計) | 124億円 | 同124.9%増 |
2Q単体の決算結果は
売上高 | 241億円 | 前年同期比59.8%増 |
営業利益 | 59億円 | 同53.9%増 |
四半期純利益 | 72億円 | 同158.3%増 |
大幅増収増益の好決算で過去最高益を更新した。2Qの営業利益率(累計)は前年同期比1.3pt上昇の23.9%だった。主力の半導体関連装置はEFEMやウエハソータの販売拡大と円安により増収であった。営業利益は売上増加により前年同期比64%増益であったが、原材料価格の上昇や円安の影響により売上原価が増加したため計画比8%減であった。経常利益は円安による為替差益62億円を計上し大幅増益であった。
セグメント別内訳では半導体関連装置の売上は前年同期比55%増の389億円、FPD関連装置の売上は同115%増の39億円であった。
半導体関連装置の売上に関しては、中国向けは装置メーカーごとに売上の増減では差があるもののEFEM販売が好調、米国向けは 主要製造装置メーカー向けの売上増加、好調が継続、台湾向けはファウンドリ向けの販売好調、前年同期比約2倍の売上実績であった。
受注に関しては半導体関連装置の受注高292億円、受注残高645億円と過去最高を更新した。受注残高は過去最高水準にあるものの、円安の影響を除くと受注高は高水準横ばいで、長納期対応の受注が含まれる。 部品不足の緩和、代替部品投入、ベトナムの人員増強などでの生産量拡大により受注消化率を向上した。
FPD関連装置に関しては前期末受注からの装置納入により17億円の売上実績だった。 当四半期の大口受注はなく、受注残高の減少が継続した。
【2023年2月期通期予想】
部品調達状況の改善、円安、半導体関連装置の受注残高が過去最高となった事から通期決算を上方修正した。
売上高 | 965億円 | 前期比44%増 |
営業利益 | 232億円 | 同46.9%増 |
当期純利益 | 228億円 | 同77.7%増 |
EPS | 1,318.94円 | ― |
期末配当金 | 110円 | ― |
前期に引き続き最高益更新を予定している。
アナリストによる投資スタンス
つい先日メモリー各社による需要減から2023年前半までは半導体セクターは調整時期とのセクターレポートをアップしたが、ローツェは今までのところ影響を受けていないようである。中国の半導体メーカーとTSMCが上位主要顧客であるのでまだ需要が強い状況であるのがうかがえる。好決算であったが、半導体セクター全体が弱気であるために10月11日の決算発表翌日の12日は売られ、前日終値比3.3%程下落した。現在の株価で予想PERが5.4倍、PBRが2.0倍、EV/EBITDAが4.7倍と超割安である。
ローツェについて詳しく知りたい方は2年半前に個別レポートを書いたのでこちらをご参照ください。
執筆者プロフィール
株式会社pafin
マーケットアナリスト 西村 麻美
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。