株価*時価総額自己資本比率ROEROIC
10,940円1,928億円55.7%N/AN/A
PER(実績)PER(予想)PBR配当利回りEV/EBITDA
8.8倍10.6倍2.3倍1.43%7.9倍

                                               *2023年10月12日にストップ高10,940円で買い気配。

【2024年2月期2Q決算結果】

ローツェの2024年2月期2Q決算(累計)の結果は

売上高409億9,200万円前年同期比▲10.4%
営業利益99億5,200万円同▲9.0%
四半期純利益98億3,500万円同▲20.5%

2Q単独の決算結果は

売上高242億9,900万円前年同期比0.97%増
営業利益52億3,400万円同▲11.3%
四半期純利益62億7,800万円同▲13.3%

従前の会社計画通り減収減益決算となった。2Qまでの累計の売上は前年同期比▲10.4%の409億9,200万円となった。累計の営業利益は同▲9.0%の99億5,200万円となった。営業利益率は同0.4pt上昇の24.3%であった。円安により売上原価が増加、営業利益を押し下げ営業利益率は低下した。営業外収益では為替差益の減少、またデリバティブ損失を計上した事で経常利益は同▲17.9%の138億7,800万円、四半期純利益は同▲20.5%の98億3,500万円であった。2Q単体の売上は1Qに比べて回復し、売上高が同0.97%増の242億9,900万円、営業利益は同▲11.3%の52億3,400万円、四半期純利益は同▲13.3%の62億7,800円と1Q業績より回復した。決算発表翌日の12日にローツェの株式はストップ高買い気配となった。

2Qは中国や米国向けの半導体関連装置納入が回復基調となり売上が微増の242億9,900万円であったが、累計では減収となった。営業利益は2Q単体では1Qよりも減益幅が大きく同11.3%の52億3,400万円となった。2Q単体の営業利益率は同3.0pt低下の21.5%となった。為替に関しては期初計画の1USD=133円から2Q期末の1USD=145円への円安進行を受けて為替差益39億円を計上した。
 

売上(累計)のセグメント別内訳は以下の通りである。

(単位:百万円)売上前年同期比増減
半導体関連装置34,477▲11.5%
分析装置1,521N/A(前年同期はゼロ)
FPD関連装置1,715▲56.1%
ライフサイエンス関連装置 152▲17.6%
モータ制御機器87+23.5%
部品・修理 他 3,038+15.7%
合計40,992▲10.4%

2Qのセグメント別概況であるが、半導体関連装置は中国や米国などの装置売上が増加し2Qのみで205億円、一方台湾ファウンドリの工場立上げの遅れが影響し、その分予定していた売上の計上が無くなった。分析装置に関しては国内外の半導体メーカーやウエハメーカー向けに主力製品Expert™を納入し累計15億円の売上実績となった。FPD関連装置は主要顧客の韓国、ベトナム向けなどの装置納入が増加した。ライフサイエンス関連装置は2Qには国内製薬メーカー向けに装置を納入した。

地域別売上は米国が120億円(29%)と一位、中国が95億円(23%)と二位、台湾が66億円(16%)と三位、以下日本が48億円(12%)、韓国が39億円(10%)、欧州が27億円(7%)であった。

2Qの受注高は前年同期比▲35%、1Q比39.7%増の190億1,100万円、受注残高は前年同期比▲16.4%、1Q比▲2.7%の540億円である。

  【2024年2月期通期予想】

 

売上高880億円前期比▲6.9%
営業利益216億円同▲18.2%
当期純利益157億円同▲26.5%
EPS892.13円  ―
期末配当金135円  ―

今期通期の会社計画は期初予想を維持した。減収減益で当期純利益に関しては前期比26.5%減の157億円を計画している。

アナリストによる投資スタンス

会社計画通り減収減益の決算であった。1Qよりも業績は回復はしたが、米長期金利の低下を背景に半導体株が買われていた事からストップ高買い気配となった。本日の終値ベースで予想PERは12.26倍、PBRは2.32倍、EV/EBITDAは7.9倍であった。本日は金利低下で半導体株が買われたが、昨日サムスンが3Q(7~9月期)の業績の速報値を発表し、メモリー価格の下げ止まりもあり営業利益が2兆4000億ウォン(約2650億円)と前年同期比78%減であったが、2Q比3.6倍となったニュースも好材料であったようだ。メモリー市場底打ちはローツェにとっても好材料であるが、株価動向は金利動向にも左右されると思われる。