株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
2,998円 | 5,304億円 | 45.3% | 15.6% | 12.9% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
26.7倍 | 25.6倍 | 4.1倍 | 1.17% | 8.5倍 |
*株価は2024/11/8の場中の値。
IIJ:2025年3月期2Q決算結果(累計)
売上高 | 1,470億円 | 前期比14.7%増 |
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営業利益 | 118億円 | 同▲2.5% |
親会社の所有者に帰属する四半期純利益 | 75億円 | 同▲10.2% |
2Q単独の決算結果は
売上高 | 750億円 | 前年同期比12.3%増 |
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営業利益 | 73億円 | 同3.2%増 |
親会社の所有者に帰属する四半期純利益 | 42億円 | 同▲12.4% |
IIJの2025年3月期2Q決算は増収減益決算であった。企業、官公庁のネットワーク更改等の需要は引き続き良好でサービスインテグレーションでNW更改案件を多数獲得、SIの売上の伸びが高く好調な中間決算であった。
売上は前年同期比14.7%増の1,470億円、VMware製品のライセンス費用増加を吸収してNWサービス、SI事業共に売上総利益は拡大したが、一般管理費の増加により営業利益は同▲2.5%の118億円、営業利益率は同▲1.4ptの8%となった。営業外で金融費用が増加し、四半期純利益は同▲10.2%の75億円となった。ファンド評価損益は▲2億7,800万円、持分法損益は▲9,100万円、うちディーカレット(出資比率38.2%)の損益は2,500万円。ディーカレットは国内初のデジタル通貨の商用化を2024年8月に開始し、事業パートナーへの第三者割当増資で総額63.5億円の資本調達を実施した。
【NWサービスの売上内訳】
法人向けインターネット接続サービス | 235.6億円 | 前年同期比7.3%増 |
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アウトソーシング(セキュリティ、ネットワークサーバー等) | 284.3億円 | 同10.9%増 |
WAN (広域網ネットワークサービス) | 137.5億円 | 同▲2.6% |
各サービスの売上が継続的に伸長している:IP+6.4%YoY、アウトソーシング+10.9%YoY、うちセキュリティ+17.2%YoY。主要NWサービスの価格改定を2024年10月より実施。PCの紛失・盗難・不正持ち出し時の情報漏えい対策サービス「IIJフレックスレジリエンスサービス」を2024年9月より提供開始。インターネットトラフィック、契約総帯域は継続増加。
【モバイル事業の売上内訳】
法人モバイル売上 | 72.5億円 | 前年同期比10%増 |
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MVNE売上 | 55.7億円 | 同6.2%増 |
IIJmio(個人モバイル)売上 | 114.4億円 | 同7.9%増 |
法人モバイル売上の伸びが引き続き大きかった。デュアルキャリア・eSIM等でソリューション強化。個人モバイルの市場環境は安定推移、端末プラン・eSIM等で積極展開した。
【SI事業の売上内訳】
SI構築売上(一時売上、機器販売を含む) | 268.8億円 | 前年同期比49.5%増 |
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SI構築受注額 | 302.7億円 | 同▲0.5% |
SI構築期末受注残高 | 271.5億円 | 同3.4%増 |
SI運用保守売上 | 397億円 | 同14.2%増 |
SI運用保守受注額 | 426.9億円 | 同2.4%増 |
SI運用保守期末受注残高 | 881億円 | 同16.1%増 |
需要動向は業界万遍なく引き続き良好であった。1H24受注額・残高:千葉市向け個別大型案件のうちSI約70億円(構築約50億円、運用約20億円)主な獲得案件:公共機関向けリモートワーク環境整備(約10億円)、サービス事業者向け販売システム更新(約20億円・2年間)、地域金融機関向け新共同プラットフォーム第1号案件(約60億円・8年間)、ただし大部分はNWサービス。
1H24進行基準売上影響:+約26億円(1H23: +9億円)
IIJ:2025年3月期通期計画
売上高 | 3,120億円 | 前期比13%増 |
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営業利益 | 320億円 | 同10.2%増 |
当期利益 | 206億円 | 同3.9%増 |
EPS | 116.46円 | |
一株当たり配当金 | 35円 |
今期も最高益更新を予定している。VMwareライセンス費用増加は▲11億円。VMwareライセンス費用増加分はSI事業は既に1Qから価格に転嫁を開始し、NW事業に関しては10月より価格改定を開始した。
アナリストによる投資判断
正午に決算発表の後後場でIIJの株価は2%下落した。IIJのファンダメンタルは好調で売上の80.7%はストック売上であり、スケールメリットで構造的にマージンが拡大し、業績も最高益を更新し続けている。しかし、年初来の株価騰落率はほぼフラットとぱっとしない。今年のようにボラティリティが高いマーケットでもIIJのβ値は0.36と低くディフェンシブな銘柄であり、下値も限られているD/X銘柄と言えるだろう。