株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
2,848円 | 5,038億円 | 45.0% | 15.0% | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
25.3倍 | 21.9倍 | 3.6倍 | 1.37% | 8.3倍 |
*株価は2025/5/13の後場の場中の値。
IIJ:2025年3月期通期決算結果
売上高 | 3,168億円 | 前期比14.8%増 |
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営業利益 | 301億円 | 同3.7%増 |
親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 199億円 | 同0.5%増 |
4Q単独の決算結果は
売上高 | 875億円 | 前年同期比16.7%増 |
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営業利益 | 94億円 | 同7.4%増 |
親会社の所有者に帰属する四半期純利益 | 61億円 | 同▲10.3% |
IIJの2025年3月期通期決算は増収増益で5期連続最高益を更新した。大型NW構築・運営案件多業種で獲得が恒常化した決算であった。VMwareライセンスの価格も一巡し見通し超過の高増収・中期経営計画の1年目として事業拡大の布石となった一年であった。
売上は前期比14.8%増の3,168億円、営業利益は同3.7%増の301億円、営業利益率は同▲1.0ptの9.5%となり、当期純利益は同0.5%増の199億円となった。ファンドに係る金融資産評価損益は2億100万円、持分法損益は▲4億1,400万円、うちディーカレット(出資比率34.8%)の損益は▲5億5,300万円であった。
【NWサービスの売上内訳】
法人向けインターネット接続サービス | 489.9億円 | 前期比9.5%増 |
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アウトソーシング(セキュリティ、ネットワークサーバー等) | 591.5億円 | 同11.7%増 |
WAN (広域網ネットワークサービス) | 276.1億円 | 同▲2.7% |
WAN以外は高い伸びであった。法人向けインターネット接続サービスは次世代GIGAスクール構想「Next GIGA」に向けて新たな帯域確保型インターネット接続ソリューションを提供開始(25年3月)や4Q24契約総帯域は複数顧客で100G超の増強・新規獲得等あり大幅増加が要因であった。アウトソーシングはNW更改案件等でSASE・SOC(セキュリティオペレーションセンター)等の需要が旺盛だった。
【モバイル事業の売上内訳】
法人モバイル売上 | 154.8億円 | 前期比13.5%増 |
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MVNE売上 | 113.8億円 | 同7.9%増 |
IIJmio(個人モバイル)売上 | 234.4億円 | 同6.7%増 |
法人モバイルに関しては製造業向けにIoTセンサー、ネットワーク及び可視化プラットフォームを一括で提供する「省エネIoTパッケージ」を三菱HCキャピタル㈱と開発・提供開始(25年4月)が牽引した。
【SI事業の売上内訳】
SI構築売上(一時売上、機器販売を含む) | 687.7億円 | 前期比37.8%増 |
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SI構築受注額 | 608億円 | 同1.6%増 |
SI構築期末受注残高 | 158億円 | 同▲33.5% |
SI運用保守売上 | 825億円 | 同14.8%増 |
SI運用保守受注額 | 970億円 | 同10.2%増 |
SI運用保守期末受注残高 | 996億円 | 同17.0%増 |
需要動向は業界万遍なく引き続き良好であった。SI構築期末受注残高が前期比▲33.5%と大幅に減少したが、2026年3月期計上分が150億円である。4Q24獲得大型サービスインテグレーション案件は公共機関向けICT基盤構築(約30億円・5年間)、公共機関向け業務環境構築(約20億円・3年間)、建設業向けリモートアクセス環境構築(約20億円・5年間)、不動産事業者向けNWインフラ刷新(約30億円・5年間)等であった。
IIJ:2026年3月期通期計画
売上高 | 3,400億円 | 前期比7.3%増 |
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営業利益 | 365億円 | 同21.2%増 |
当期利益 | 230億円 | 同15.4%増 |
EPS | 130.00円 | |
一株当たり配当金 | 39円 |
今期も最高益更新を予定している。
アナリストによる投資判断
今期も6期連続最高益更新の予定である。法人向けのD/X需要は引き続き強いが、地方自治体、医療機関向けのD/X需要も拡大している。 IIJはクラウド・VPN・モバイル・セキュリティなどを一貫して自社網で提供可能である数少ない企業であり、地味ではあるが、安心して長期保有できる銘柄である。