ロームの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

13,530円

1.3兆円

83.0%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 16.5倍

18.97倍

1.45倍

1.48%

7.9倍

*株価は2023/8/1の終値。

ローム:2024年3月期1Q決算結果

売上高1,202億円前年同期比▲4.0%
営業利益177億円同▲21.5%
当期純利益201億円同▲22.9%
平均為替レート1USD=138.11円 

ロームの2024年3月期1Q決算は自動車市場向けが伸びたものの民生機器市場向け通信機器市場向け及びコンピューター&ストレージ市場向けを中心に減収となり前年同期比▲4%の1,202億円となった。粗利益率は同2.23ppt上昇し、65.22%となった。営業利益は同▲21.5%の177億円となった。販管費の増加により営業利益率は同▲3.3pptの14.7%となった。営業外で為替差益を85億円計上したが、前年同期の111億円と比べて24%減であり、経常利益は同▲20.5%の280億円となった。固定資産売却益で約20億円を特別利益として計上したが四半期純利益は同▲22.9%の201億円となった。ロームがKPIとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲4.4%の326億5,900万円であった。

 

セグメント別概況は

LSI

セグメント売上高541億円前年同期比▲1.1%
セグメント利益78億円 同▲26.8%

自動車関連市場向けで、ADAS(先進運転支援システム)やインフォテインメント向けの電源ICなどが好調であったことに加え、電動車の普及加速に伴いパワートレイン向けに絶縁ゲートドライバICなどの高付加価値商品が順調に売上を伸ばした。一方民生機器市場ではAV機器や白物家電向けを中心に減少し、コンピューター&ストレージ市場でPC関連やSSD向けの電源IC等の売上が落ち込んだ。

半導体素子

セグメント売上高516億円前年同期比▲3.9%
セグメント利益78億円同▲12.9%

事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスについては、自動車関連市場のxEV向けを中心に好調に推移したことに加え、産業機器関連市場でも太陽光発電向けなどが堅調に推移した。しかし、民生機器市場やコンピューター&ストレージ市場では厳しい状況であった。発光ダイオード、半導体レーザーはについては民生機器向けを中心に減少した。 

モジュール

セグメント売上高81億円前年同期比▲10%
セグメント利益5億円同▲67.5%

事業セグメント別では、プリントヘッドは、決済端末向けを中心に売上が減少し、オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加した。

その外

セグメント売上高276億円前期比4.7%増
セグメント利益51億円同1.4%増

事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移したが産業機器市場向けの売上が落ち込んだ。

ローム:2024年3月期通期会社予想

2024年3月期通期の会社計画の業績予想は従前予想を維持した。

売上高5,400億円前期比6.3%増
営業利益750億円同▲18.8%
当期純利益700億円同▲12.9%
予想為替レート1USD=130.27円前後 
EBITDA1,590億円同7.1%増
設備投資額1,600億円同26.9%増

ロームは2023年10月1日を効力発生日として一対四の株式分割を予定している。

1Qを終えて上半期の会社計画の業績予想を発表した。売上は前年同期比▲3.8%の2,500億円、営業利益は同▲34.5%の330億円、四半期純利益は同46.3%の280億円を予定している。1Q終了時で上半期の四半期純利益の71.8%を既に達成した。

今期の会社予想の通期業績は増収減益である。これは業績悪化ではなく減価償却費を前期比49.6%増の840億円計上を予定しているためであ。ロームの重視するKPIのEBITDA(営業利益+減価償却費)は前期比7.1%増の1,590億円を予定している。

アナリストによる投資判断

ロームの1Q決算結果を見て自動車関連売上は前期に引き続き強いものの民生機器、コンピューター&ストレージ市場向けの需要が弱く欧米を中心にインフレがまだ収まっておらず中国では景気回復が遅れている影響がある印象であった。会社計画では下半期より回復を予想している。通期の会社計画は減益予想であるが、前述したように減価償却費の大幅増加により利益が圧迫されるためであり、ファンダメンタルの悪化ではない。ロームは中期的にEV市場での次世代パワー半導体のSiCパワー半導体でグローバルトップシェア商品の確立を目指している。そのために増産等で設備投資額を増加しており減価償却費が利益の下押し要因となるが、車載関連ソリューションの強い需要は継続しており中長期的な成長ストーリーは不変である。