ロームの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

2,491.5円

9,616億円

65.8%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 3.0倍

13.97倍

1.02倍

2.01%

5.9倍

*株価は2023/11/1の終値。

ローム:2024年3月期2Q決算結果

売上高2,393億円前年同期比▲7.9%
営業利益298億円同▲40.8%
四半期純利益373億円同▲28.4%
平均為替レート1USD=141.31円 

2Q単独の決算結果は

売上高1,192億円前年同期比▲11.6%
営業利益121億円同▲56.4%
四半期純利益172億円同▲34%

ロームの2024年3月期2Q決算は1Qに続き減収減益の決算となった。自動車市場向け売上は増加したもののコンピューター&ストレージ市場向け及び民生機器市場向けの売上が減少し、2Q累計の売上は前年同期比▲7.9%の2,393億円、営業利益は同▲40.8%の298億円、四半期純利益は同▲28.4%の373億円となった。ロームがKPIとして最重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲18.5%の613億円となった。2Q累計の営業利益率は同6.9pt低下の12.5%となった。

2Q単独の決算結果は売上高が同▲11.6%の1,192億円、営業利益が同▲56.4%の121億円、四半期純利益が同▲34%の172億円であった。2Q単独の営業利益率は同9.1pt低下の10.2%となった。

ロームは2023年10月1日を効力発生日として1対4の株式分割を行った。

また、自社株買いを約200億円相当分実施し、また有利子負債の増加(東芝買収のための短期借入金3,000億円)等の要因により自己資本比率が1Q末時点の83.0%から65.8%に低下した。

上半期市場別売上の変動要因

①自動車市場向け売上 ー 1,120億円(前年同期比9.5%増)

インフォテイメント分野▲0、ボディ分野+32、パワートレイン分野+9、安全走行ADAS(先進運転支援システム)+7、xEV分野+56、その他▲7

②産業機械市場向け売上ー 413億円(同11.1%)

FA分野▲25、エネルギー分野+15、ホームビルディング分野▲5、その他▲35

③民生市場向け売上 ー 503億円(同▲15.9%)

AV関連▲23、家電分野▲39、その他▲32

④通信市場向け売上 ー 102億円(同▲18.8%)

スマホ・モバイル分野▲24、基地局&インフラ+2、有線通信分野▲2

⑤コンピュータ&ストレージ市場向け売上 ー 255億円(同▲34.4%)

PC&サーバー分野▲96、決済端末向け▲24、事務機分野▲14

セグメント別概況

LSI

セグメント売上高(累計)1,073.5億円前年同期比▲8.3%
セグメント利益122億円 同▲52.6%

自動車関連市場向けで、EVの普及の加速に伴いパワートレイン向け絶縁ゲートドライバーIC等の高付加価値商品が順調に伸びた事に加え、高性能半導体パワースイッチIPD、車載向けLEDドライバIC、電源ICが好調であった。一方民生機器市場ではAV機器や白物家電向けを中心に減少したものの、エネルギー価格高騰等により省エネ性能エアコン向けモータドライバが好調であった。コンピューター&ストレージ市場でPC関連やSSD向けの電源IC等の売上が落ち込んだ。

半導体素子

セグメント売上高(累計)1,020.5億円前年同期比▲6.8%
セグメント利益131億円同▲31.3%

事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスについては、自動車関連市場のxEV向けを中心に好調に推移した。しかし、民生機器市場やコンピューター&ストレージ市場では厳しい状況であった。発光ダイオード、半導体レーザーはについては民生機器向けを中心に減少した。 

モジュール

セグメント売上高(累計)169億円前年同期比▲7.2%
セグメント利益19億円同▲32%

事業セグメント別では、プリントヘッドは、決済端末向けを中心に売上が減少し、オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加した。

その他

セグメント売上高130億円前期比▲14.2%
セグメント利益12億円同▲59.6%増

事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移したが産業機器市場向けの売上が落ち込んだ。

ローム:2024年3月期通期会社予想

2024年3月期通期の会社予想の業績計画を下方修正をした。売上高を5,400億円から5,000億円、営業利益を750億円から530億円、当期純利益を700億円から590億円に修正した。また、EBITDAも下方修正した。しかし、設備投資額は従前予想を維持した。

売上高5,000億円前期比▲1.6%
営業利益530億円同▲42.6%
当期純利益590億円同▲26.6%
予想為替レート1USD=140.71円前後 
EBITDA1,314億円同▲11.5%
設備投資額1,600億円同26.9%増

2Qを終えて通期の会社計画は増収減益から減収減益と変わった。特に営業利益は前期比42.6%減と大幅に減益を予定している。

アナリストによる投資判断

自動車関連売上は前期に引き続き強いものの民生機器、コンピューター&ストレージ市場向けの需要が弱く1Q決算発表時より更に悪化している印象がある。2Q単独決算では営業利益が大幅に減少したが、減価償却費の大幅増加による部分もある。東芝の買収により次世代パワー半導体SiCでトップを目指すとの経営戦略が本格化したが、足元の業績悪化により株価はしばらく調整局面に入るかもしれない。