株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
1,361円 | 5,253億円 | 61.7% | ▲5.4% | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
▲10.5倍 | 75.0倍 | 0.60倍 | 3.67% | N/A |
注:*株価は2025/5/14の前場場中の値。
ローム:2025年3月期通期決算結果
売上高 | 4,485億円 | 前期比▲4.1% |
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営業損益 | ▲400.6億円 | 同赤字転落 |
当期純損益 | ▲500.6億円 | 同赤字転落 |
平均為替レート | 1USD=152.48円 |
4Q単独の決算結果は
売上高 | 1,038億円 | 前期比▲7.8% |
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営業損益 | ▲289.8億円 | 同赤字転落 |
四半期純損益 | ▲502.7億円 | 同赤字転落 |
ロームの2025年3月期通期決算は当期純損益が▲500.6億円の大赤字の決算であった。売上高は前期比▲4.1%の4,485億円、営業損益は赤字に転落し、▲400.6億円、当期純損益は▲500.6億円であった。ロームがKPIとして最重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲62.4%の434億円であった。
2025年3月期が大赤字だったのは会社計画に反してxEV(電動車全般)向け売上が▲55億円と下期に急減速し、産業機械向け売上が前期比▲23.3%と大幅に落ち込んだ事等が要因であった。地域別では日本が同▲10.3%と落ち込みが大きかった。
セグメント別概況
LSI
セグメント売上高 | 2,038億円 | 前期比▲1.6% |
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セグメント損益 | ▲7億円 | 赤字転落(前期は212億円) |
民生機器市場向けでは、省エネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移した。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータドライバICや電源IC、その他FANモータドライバICなどの売上が回復傾向となった。自動車市場向けは、ADAS向けなどの高付加価値商品が伸長したが、電動車(xEV)向けの製品は調整局面となり、全体としては減収となった。産業機器市場及び通信機器市場向けにつきましては前期に引き続き厳しい状況となり、セグメント損益は赤字に転落した。
半導体素子
セグメント売上高 | 1,870.5億円 | 前年同期比▲7.4% |
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セグメント損益 | ▲459億円 | 赤字転落(前期は129.6億円) |
事業セグメント別では、パワーデバイスは、自動車市場向けの売上はSiCデバイスでの増加は見られるものの足元ではEVを中心に需要は低迷しており、成長は想定を下回った。産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少した。汎用デバイスは、自動車市場向けの売上が全般的に低調だったことに加え、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込んだ。また、発光ダイオードは、産業機器市場向けを中心に売上が低迷したが、半導体レーザーは、コンピュータ&ストレージ市場向けや産業機器市場向けで売上を伸ばした。結果としてセグメント損益は▲459億円の大赤字となった。
モジュール
セグメント売上高 | 326億円 | 前期比▲1.1% |
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セグメント利益 | 27億円 | 同34.2%増 |
事業セグメント別では、プリントヘッドは、事務機器向け売上が減少したが、決済端末向けの売上の増加が補填した。オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加したもののそれ以外の売上が全般的に減少した。
その他
セグメント売上高 | 250億円 | 前期比▲2.6% |
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セグメント利益 | 25億円 | 同17.1%増 |
事業セグメント別では、抵抗器は、産業機器市場向け・民生機器市場向けの高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が順調に推移したが、汎用品の抵抗器は自動車市場向けを中心に減少した。
ローム:2026年3月期通期会社予想
今期は減収であるが、黒字転換を計画している。
売上高 | 4,400億円 | 前期比▲1.9% |
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営業利益 | 40億円 | 黒字転換 |
当期純利益 | 70億円 | 黒字転換 |
予想為替レート | 1USD=140円(期中平均) | |
EBITDA | 656億円 | 同51.3%増 |
設備投資額 | 850億円 | 同▲36.1% |
アナリストによる投資判断
今期は黒字転換を会社では予定している。しかし、主力の自動車向けパワー半導体はアメリカの関税政策を受けて国内の自動車メーカーは生産調整を予定しており、受注が減少するリスクがあり、産業機器向け売上の不振もあり黒字転換は難しいのではないかと考えている。