株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
4,598円 | 2.74兆円 | 39.4% | 14.8% | 9.1% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
31.4倍 | 30.6倍 | 4.6倍 | 0.73% | 14.7倍 |
*株価は2025/5/15の前場場中の値。
PPIH:2025年6月3Q決算結果(累計)
売上高 | 1兆6,882億円 | 前年同期比7.7%増 |
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営業利益 | 1,287億円 | 同16.7%増 |
四半期純利益 | 759億円 | 同5.3%増 |
3Q単独の決算結果は
売上高 | 5,596億円 | 前年同期比7.7%増 |
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営業利益 | 389億円 | 同11.9%増 |
四半期純利益 | 219億円 | 同▲8.3% |
PPIHの2025年6月期3Q決算結果は累計、単独共に売上、営業利益で過去最高を達成した。3Q累計の売上高は前年同期比7.7%増の1兆1,286億円、営業利益は同16.7%増の1,287億円、営業利益率は同0.6pt増の7.6%、四半期純利益は同5.3%増の759億円となった。
DS事業は好調を維持し、UNY事業も上期減益から増益転換し、海外事業もカリフォルニアが特に改善した。
事業セグメント別の状況は以下の通りである。
【国内ディスカウント事業】
売上高 | 1兆805億円 | 前年同期比9.7%増 |
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営業利益 | 823億円 | 同25.3%増 |
既存店売上は前年同期比107.1%と免税・非免税ともに好調に推移し、既存店の成長が続いた。非免税の売上は102.8%と米類の単価上昇に加え、食品、日用消耗品の値上げ前の駆け込み需要を捉えて伸長した。節約志向の高まりを捉えた事で、会員限定の価格戦略が奏功し客数が伸長した。majica提示率49.0%(前期比+4.7pt)の伸長に貢献。総利益率は27.9%(前期比+0.7pt)と伸長。季節品は3Qにおいても好調を継続した。特に冬物季節品が伸長し、粗利率向上に貢献した。PB/OEM売上は2,322億円(前期比129.7%)と伸長。引き続き新商品開発OEM転換戦略により収益性が向上した。販管費は前期比+8.3%と免税拡大に伴うコストや人事制度改定等により上回るも、販管費は20.2%(前期比▲0.3pt)と売上伸長効果により低減。
インバウンド売上については顧客ニーズに合わせたMD戦略やアミューズメント性の高い購買体験が訪日客人気になり、免税売上は3Q累計1,244億円(前期比153%)、4月は168億円と過去最高売上を達成した。市況変化による訪日客や経済不安の影響が予想されるが、「立ち寄るべき場所No.1」へ成長を続ける。円高が更に進み、日本の価格優位性が減少しても成長ができるPPIHの強み:商品構成力、店舗サービス力、集客力。
【UNY事業】
売上高 | 3,566億円 | 前年同期比1.8%増 |
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営業利益 | 277億円 | 同1.8%増 |
3Qの営業利益は277億円(前期比+6億円)と販管費コントロールが奏功し、上期まで減益も増益に転換した。非食品改革が進むも、本格的な売上増や客数改善についてはここから本格化予定。既存店売上高は前期比102.1%とやや改善した。非食品改革は美・癒し・遊・時短等をコンセプトにした品揃えが奏功した。グループのエース級メンバーとユニーメンバーの連携も進み、成功事例の波及効果も出始めた。
既存店粗利率は26.8%(前期比▲0.3pt)食品、日用消耗品は価格戦略により、粗利率が前年を下回るが、衣料品の季節品在庫の最適化により予算は上回った。PB/OEM売上は908億円(前期比+110.3%)と伸長した。
販管費は前期比99.9%と抑制した。賃金や水光熱費の上昇に加えて、集客戦略により販促費が増加する中人員配置の適正化や労働時間コントロールが奏功した。既存店客数は100.9%とプラスに転じるも更に上積みをする予定。売上・客数の継続的な伸長のために非食品による差別化に加えて食品を含めた価格優位性を顧客に認知させるレベルまでの改革を来期中に完成させる予定。
非食品改革の具体例はDS事業で販売好調な商品を積極導入し販売する事で顧客層の幅を広げる。消耗雑貨品をmajica会員限定価格で提供する事で既存顧客の来店頻度を高める等。
【海外事業】
売上高 | 2,654億円 | 前年同期比7.7%増 |
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営業利益 | 58億円 | 同23.4%増 |
海外事業は増収増益であった。アジア事業は最悪期から改善した。通期計画を達成見込み。エリア別では好不調あるも、好調戦略の全エリア波及と課題解決が将来の成長へ。北米事業はGelson'sの想定を超える回復やMarukaiCAの好調継続により通期計画を上回る推移をしている。
アジア事業はアジア全体で店舗別の人件費率管理を進めた事や業務内製化による販管費コントロールが進んだ。販管費の低減が利益改善に貢献した。
タイや香港では現地企業との商談強化により1,000SKU(在庫管理における最小の管理単位)前後のスポット商品を導入した事や日本で人気のNB商品の価格戦略が奏功した事で好調に推移した。アジア3Q単体でも既存店客数103.4%と改善に寄与した。来期は不振エリア(台湾、シンガポール)にも波及していく予定である。
北米事業はハワイ、グアムは計画通りの進捗状況ではあるものの、MarukaiCAの好調継続とGelson'sの回復の影響が大きく、通期営業利益の達成の確度が高まった。Gelson'sは火災による店舗消失があったものの、ロイヤルカスタマーが周辺店舗に来店し、売上が増加した。また、販管費の一部は保険の対象として反映された。
ハワイのシステム障害は正常化され来期には影響はない。グアムはオペレーション面の改善やローカル商材を6,500増加する改装実施等改善に向けて実施中。
PPIH:2025年6月期会社予想
中間決算時の上方修正予想を維持した。今期も最高益更新の予定である。
売上高 | 2兆2,200億円 | 前期比6%増 |
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営業利益 | 1,550億円 | 同10.6%増 |
当期純利益 | 900億円 | 同1.5%増 |
EPS | 150.74円 | |
一株当年間配当金 | 34.00円 |
アナリストによる投資判断
DS事業の好調維持のみならず、UNY事業、海外事業も改善し今期も最高益更新の予定である。小売りセクターのコア銘柄として安定感がある企業である。