株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
1,602円 | 7,816億円 | 14.9% | 7.0% | 1.1% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
10.9倍 | 9.8倍 | 0.8倍 | 3.62% | 16.6倍 |
*株価は2024/11/8の終値。また、東京センチュリーは2024年1月1日付けで一対四の株式分割を行った。
東京センチュリー:2025年3月期2Q決算結果(累計)
売上高 | 6,659億円 | 前年同期比▲2.9% |
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営業利益 | 563億円 | 同6.0%増 |
四半期純利益 | 431億円 | 同21.1%増 |
2Q単独の決算結果は
売上高 | 3,316億円 | 前年同期比▲7% |
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営業利益 | 218億円 | 同▲12.1% |
四半期純利益 | 201億円 | 同15.7%増 |
東京センチュリーの2025年3月期2Qの決算結果は2Qとして最高益を達成した好決算であった。売上高は前年同期比▲2.9%の6,659億円、営業利益は同6%増の563億円、四半期純利益は同21.1%増の431億円であった。営業利益率は同0.8pt増の8.5%となった。
事業分野別ではAGCを中心としたスペシャルティ事業分野で60億円の増益、とNRS、NCSの伸長によりオートモビリティ分野で4億円の増益、一方環境インフラ分野では前年同期の一過性利益の反動により26億円の減益であった。
政策保有株売却を主因とする特別利益49億円(税後ベース)の計上もあり、純利益の進捗率は53.9%であった。PBR回復に向けてROE(年換算)9.1%、「中期経営計画2027」の二年目として順調に進捗している。
事業セグメント別の純利益およびROAは
国内リース事業分野 | 純利益 113億円 | 前年同期比▲8億円 |
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ROA 1.8% | 同▲0.1pt | |
オートモビリティ事業分野 | 純利益 103億円 | 同4億円増 |
ROA 4.3% | 同0.6pt増 | |
スペシャルティ事業分野 | 純利益 170億円 | 同60億円増 |
ROA 1.1% | 同0.3pt増 | |
国際事業分野 | 純利益 49億円 | 同4億円増 |
ROA 1.1% | 同▲0.2pt | |
環境インフラ事業分野 | 純利益 9億円 | 同▲26億円 |
ROA 0.6% | 同▲2.0pt | |
その他 | 純損益▲12億円 | 同40億円増 |
ROA N/A | N/A |
オートモビリティ事業分野とスペシャルティ事業分野、国際事業分野は増益であったが、国内リース事業分野、環境インフラ事業分野は減益であった。
事業分野ごとの概況は以下の通りであった。
【国内リース事業分野】
売上高は前年同期比▲3.9%の2,245億円、セグメント利益は同▲6.6%の113億円となった。売上総利益段階で資金原価の増加を打ち返しての増益となったもののNTT・TCリースの為替差損及び販管費の増加等により減益となった。セグメント資産残高は同▲4.8%の1兆2,129億円となった。
通期の見通しに関しては進捗率は45%とビハインドしているものの情報通信機器の入替需要取り込みや関係会社利益の拡大など、連結ベースでの資産効率重視したポートフォリオ運営を推進しキャッチアップを目指す。
【オートモビリティ事業分野】
売上高は前期比▲18.6%の1,545億円、セグメント利益は同4%増の103億円であった。日本カーソリューションズ(NCS)では再リースを中心とした収益の増加や機動的な中古車売却オペレーションによるリース満了車両売却益増加等により2Qとして最高益を更新した。ニッポンレンタカーサービス(NRS)は貸渡単価上昇による利益率の改善により2Qとして最高益を更新した。セグメント資産残高は0.8%増の4,826億円となった。
通期の見通しに関しては純利益進捗率が57%と通期計画達成に向けて順調に推移している。NRSの3Q利益も前年同期を上回る見込みであるとともに中古車マーケットも堅調に推移している状況である。
【スペシャルティ事業分野】
売上高は前年同期比2.2%増の1,504億円、セグメント利益は同55%増の170億円であった。セグメント資産残高は為替変動を主因に同13.5%増加し3兆2,056億円となった。
ACG(Aviation Capital Group)はマーケット回復に伴いオペレーションリース売上や機体売却益が増加した。資金コスト増加の影響を上回るオペレーションリース売上や機体売却益の増加により増収増益となった。船舶は持分法投資利益の増加を主因に増益となった。事業投資に関してはプリンシパル・インベストメント事業におけるキャピタルゲインを主因に増益となった。
通期の見通しに関しては航空機マーケットの回復を背景としたACGの収益力回復に加えて不動産、プリンシパル・インベストメント等も堅調に推移する見込みである。なおACGの期待売却は下期に集中する想定であり、航空機を含むスペシャルティ事業分野の利益は下期に偏重する予定である。
【国際事業分野】
売上高は前年同期比29.6%増の1,047億円、セグメント利益は同9.1%増の49億円となった。セグメント資産残高は為替変動を主因に同14.9%増の9,449億円となった。
アジアでは営業投資有価証券の収益減少により減益となった。
米州、欧州ではCSIは、二次収益の源泉となる満了物件数が少なく、現地通貨ベースでは減益であったが、為替の影響により増益となった。
通期の見通しに関しては進捗率が37%とビハインドであるが、下期偏重の当初計画のもと3Q以降の売却益の計上及びCSIの二次収益の増加によりキャッチアップする見込みである。
【環境インフラ事業】
売上高は前年同期比▲6.4%の323億円、セグメント利益は同▲74.3%の9億円となった。セグメント資産残高は同4.1%増の2,851億円となった。前年同期に計上した一過性利益の反動減、海外新規投資案件の資金コスト負担増加等により大幅減益となった。
通期の見通しに関しては2Qの進捗率は35%とビハインドしているものの3Q以降売却益や既存事業の収益性向上等各種施策によりキャッチアップを予定している。
東京センチュリー:2025年3月期予想
経常利益 | 1,250億円 | 前期比6.6%増 |
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当期利益 | 800億円 | 同10.9%増 |
EPS | 163.38円 | |
一株当たり配当金 | 58円(中間配当29円、期末配当29円) |
2Q決算が終わり、従前計画を維持した。今期も最高益を更新の予定である。
アナリストによる投資判断
東京センチュリーの事業ポートフォリオはACG、米国でのデータセンター複数個所、インドでのデータセンター、アジアでIT機器リース、オート事業、国内で大型ホテル、物流施設等、中長期の成長ポテンシャルが大きくバランスが良い。現時点では海外資産の方が多く円安ドル高の方が増益貢献となる。予想PER9倍台、PBR1倍割れは割安過ぎる印象を受ける。