SBIホールディングスの株価情報

株価

(2023/5/15)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

2,683円

7,307億円

4.5%

3.6%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

20.3倍

N/A

 0.7倍

N/A*

N/A

*2024年3月期の期末配当予想額は未定。

SBIホールディングス:2023年3月期通期決算結果

収益 9,986億円前期比30.8%増
税引前利益1,008億円同▲75.6%
当期純利益710億円同▲80.0%
親会社の所有者に帰属する当期純利益350億円同▲90.5%
1株当配当150円(中間30円、期末120円)同フラット

 

4Q単独の決算結果は  

収益3,129億円前期比32.5%増
税引前利益526億円同▲78.2%
四半期純利益350億円同257%増
親会社の所有者に帰属する四半期利益270億円前年同期は▲29億円

 

収益(売上高)は、前期比30.8%増の9,986億円となり、通期収益として過去最高を更新した。金融サービス事業の収益が大幅に伸長(同78.2%増の8,867億円)したことが大きく貢献した。なお、金融サービス事業の税引前利益は1,507億円であった。SBI新生銀行連結子会社化に際して計上した一時要因である負ののれん発生益等1,956億円の影響を除くと同42.0%であった。

連結税引前利益は、金融サービス事業は堅調であったものの、投資事業において一部海外上場銘柄の公正価値評価により約427億円の評価損(2023年1月末までのTPバンクの累計評価損約307億円を含む)を計上したことに加えて、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等により、暗号資産事業の税引前損失が約184億円(内、マイニング事業で約85億円、B2C2で約54億円の損失を計上)となったことが大きく影響し、前期比75.6%減の1,008億円となった。前期の現SBI新生銀行連結子会社化の際の一時要因の影響を除くと同53.6%の減益であった。

親会社所有者に帰属する当期利益は同90.5%減の350億円であった。2023年1月末まで直接投資銘柄であったTPバンクの公正価値評価損が約307億円となったことや、SBIの出資比率が高い暗号資産事業子会社における損失が大きかったことが主な要因であった。

収益は、前年同期比30.0%増の6,856億円となり、3Qとして過去最高を更新。金融サービス事業の収益が大幅に伸長(同92.4%増の6,376億円)したことが大きく貢献した。金融サービス事業の税引前利益は同58.4%減の1,136億円だった。ただし、前年同期の現SBI新生銀行連結子会社化に際して計上した一時要因(負ののれん発生益等1,956億円)の影響を除くと、同46.1%の増益であった。

連結税引前利益は、金融サービス事業は堅調であったものの、投資事業においてベトナム上場銘柄であるTPバンク(グループ持分比率:19.9%)等の一部海外上場銘柄の株価下落に伴い第3四半期累計で約460億円の公正価値評価損を計上した。更に3Qにに海外未上場銘柄において約157億円の為替差損が発生した。加えて、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等により、暗号資産事業の第3四半期累計の税引前損失が約173億円(内、マイニング事業で約90億円、B2C2で約50億円の損失を計上)となったことが大きく影響し、前年同期比86.9%減の481億円であった。(前年同期の現SBI新生銀行連結子会社化の際の一時要因の影響を除くと、同71.9%の減益であった。)

親会社所有者に帰属する四半期利益は同97.8%減の80億円であった。直接投資先のベトナムTPバンク株式の公正価値評価損が第3四半期累計で354億円となったことや、出資比率が高い暗号資産事業子会社における損失が大きかったことが主な要因であった。 

 

セグメント別業績の内訳は

セグメント名収益前期比税引前利益前期比
金融サービス事業 (証券、保険、銀行等)8,867億円78.2%増1,507億円▲50.1%
資産運用事業(レオスCW、モーニングS、SBI AM等)280億円65.6%増101億円165.7%
投資事業(PE投資等)366億円▲79.4%▲167億円赤字転落(前期は1,365億円)
暗号資産事業303億円▲45.0%▲184億円赤字転落(前期は35億円)
非金融事業(バイオ、Web3.0関連等)262億円11.2%増▲33億円170億円赤字が縮小(前期は▲203億円)

証券事業

FX事業を展開するSBI証券の子会社SBIリクイディティ・マーケットは為替市場のボラティリティの高まりを背景に、過去最高となる営業収益297億円(前期比19.3%増)を達成した。

SBI証券は株式市場が不安定な状況のなか、営業収益は1,750億円(前期比5.1%増)、営業利益は621億円(前期比0.3%増)と過去最高を更新した。ネオ証券化の実現に向けた収益源の多様化が奏功し、オンライン取引による国内株式の委託手数料が全体収益に占める割合は11.2%まで低下した。

タイ、カンボジアで展開する海外証券事業の業績は堅調に推移した。 

銀行事業

SBI新生銀行は、法人業務における貸出残高の増加による収益の拡大や大口の貸倒引当金戻入益を計上したこと等を背景に、親会社株主に帰属する当期利益は427億円(前期比+110.3%)となった。SBIホールディングスにおけるIFRS取り込みベースの税引前利益は約546億円であった。

住信SBIネット銀行は、住宅ローン事業を中心に堅調に拡大。J-GAAPでは経常利益が増益となったものの、同社の2023年3月29日の東京証券取引所スタンダード市場への新規上場時に持分の一部を売却し所有比率が減少したこと等が影響し、SBIホールディングスにおけるIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は48億円(前期比▲3.6%)となったが、所有する同社株式の一部売却に伴い約107億円の売却益を計上した。

韓国のSBI貯蓄銀行は、資産拡大に伴い基礎的収支が順調に拡大したものの、韓国国内の金利上昇に伴う利息費用の増加や、それに伴う信用悪化と延滞増加に伴う貸出償却負担の増加などが影響し、税引前利益(IFRS)は23946億円(前期比▲29.9%)であった。

2023年2月に持分法適用会社となったベトナムのTPバンクは当4Qより金融サービス事業に計上した。同社株式を20%まで追加取得し持分法適用関連会社としたことで、 株式取得完了日の2023年2月1日の株価で簿価を洗い替え、2022年12月末の株価からの変動による公正価値評価益約47億円を2023年3月期第4四半期に投資事業セグメントへ計上した。 

保険事業

SBIインシュアランスグループの2023年3月期の連結業績(JGAAP)は、グループ全体の保有契約件数の堅調な増加により、経常収益は前期比8.8%増の961億円となった。 経常収益の増加に伴い、経常利益は同6.5%増の63億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.1%増の12億円
を計上した。SBIインシュアランスグループ初となる剰余金の配当(1株当たり10円の期末配当)を決定した。 

資産運用事業

SBIグローバルアセットマネジメント(旧:モーニングスター)が「モーニングスター」ブランドを返還したことに伴い、対価80億円を受領した。これにより、当該事業セグメントでの収益は前年比+65.6%の280億円、税引前利益は同+165.7%の101億円と大幅に伸長した。ブランド返還の対価を除くと、資産運用事業セグメントの税引前利益は、株式・債券市場の市況悪化の影響等により前年同期比で約17億円の減少となるが、収益は引き続き増加傾向にある。 レオスキャピタルワークスは、4月25日に東京証券取引所グロース市場に上場した。上場後も当社の連結子会社を維持しており、SBIの持分は48.89%である。

 

投資事業

一部海外上場銘柄の公正価値評価により約427億円の評価損(2023年1月末までのTPバンクの累計評価損約307億円を含む)を計上したこと等が影響し、収益は前期比79.4%減の367億円、税引前利益は▲167億円となった。2023年3月期のIPO/M&A社数22社であった。

暗号資産事業

B2C2は、1Qに発生した一部取引先の破綻や、3Qに米国で連邦破産法第11条の適用を申請した大手暗号資産取引所FTXトレーディングの破綻などに伴う引当を計上した影響で約54億円の損失を計上したが、直近の市場の回復が収益改善に貢献した。マイニング事業においては、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等の影響により上半期を中心に一時的な減損を計上した他、暗号資産価格下落によるマイニングの収益性の低下などにより、約85億円の損失を計上した。また、年度前半から中盤にかけての市場低迷は取引所ビジネスにも影響し、暗号資産事業セグメントの税引前利益は▲184億円となった。

非金融事業

バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業では、販管費の増加や為替差損等が影響し赤字が拡大したが、研究・開発は順調に進展した。非金融セグメントではWeb3を含む将来の種となる多様な事業を展開している。地域通貨事業等を展開するまちのわは導入自治体の順調な増加に伴い業績を拡大した。

SBIホールディングス:2024年3月期予想

業績予想は、投資・証券関連事業は、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいため、SBIは業績予想の開示は行っていない。

 

アナリストによる投資判断

株式市場、暗号資産市場ともに低迷しているが、業績は金融事業を中心として堅調に推移している。海外投資先のベトナムのTPバンク等の株価下落により公正価値評価損の計上、海外未上場銘柄の為替差損、暗号資産関連の損失は一過性のものであり、国内では様々な企業とのアライアンス、海外では買収という形で事業ポートフォリオを拡大している。金曜日の決算発表を受けて本日前場で2.4%株価が上昇したが、PBRは0.7倍とまだ割安である。