SBIホールディングスの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

3,812円

1.05兆円

4.6%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り**

EV/EBITDA

29.67倍

N/A

 0.93倍

4.19%

N/A

:株価は2024/2/8の場中の株価。**2024年3月期の配当額は中間配当を一株当30円と発表した。期末配当は未定である。

SBIホールディングス:2024年3月期3Q決算結果

収益 (累計)8,647億円前年同期比32.2%増
税引前利益1,001億円同103.3%増
四半期純利益596億円同609.5%増

 

3Q単独の決算結果は

収益2,899億円前年同期比22.1%増
税引前利益298億円同黒字転換
四半期純利益225億円同黒字転換

3Q累計収益として過去最高を更新した決算であった。収益は前年同期比32.2%増の8,647億円となった。金融サービスの収益が大きく貢献した。金融サービスの3Q累計収益は同22.3%増の7,411億円であった。税引前利益は同103.3%増と大幅に伸び1,001億円であった。

前年同期は投資事業においてベトナム上場銘柄であるTPBank等の一部海外上場銘柄の株価下落や日銀が金融緩和策の一部修正を決定し、急激な円高が進行したために322億円の税引前損失を計上したが、今期3Qは11億円の黒字に改善した。また、暗号資産事業は暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等に前年同期は173億円の税引前損失を計上したが、今期3Qは20億円の黒字に改善した。

 

セグメント別業績の内訳は

セグメント名収益前年同期比税引前利益前年同期比
金融サービス事業 (証券、保険、銀行等)7,411億円22.3%増1,118億円▲2.5%
資産運用事業215億円57.8%増35億円55.9%増
投資事業(PE投資等)572億円黒字転換11億円黒字転換
暗号資産事業309億円26.9%増20億円黒字転換
次世代事業*197億円▲2.0%▲21億円赤字拡大

*2Qより非金融事業は次世代事業に名称を変更した。当セグメントはバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連事業が中心である。

証券事業

証券事業はSBI証券、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレード、SBIマネープラザ、PTS運営各社、海外証券各社等から構成される。SBI証券の2024年3月期3Q連結業績(J-GAAP)は、活況な株式市場やNISA精度拡充を背景に、営業収益は1,517億円(前年同期比19.9%増)、営業利益は531億円(前年同期比20.5%増)となりいずれも過去最高を記録した。SBI証券は2023年9月30日発注分より日本で初となる「ゼロ革命」を開始し、金融収益をはじめとする代替収益源の強化により業績への影響を低減。

銀行事業

銀行事業の構成企業はSBI新生銀行グループ、住信SBIネット銀行、アルヒ、SBI貯蓄銀行を含む海外銀行各社である。

SBI新生銀行は、法人業務での貸出残高増加に伴い、利鞘や手数料収益が増加する等したものの、前年度に計上した大口の戻入益の反動等もあり、親会社株主に帰属する当期利益(J-GAAP)は約383億円、SBIホールディングスにおけるIFRS取り込みベースの税引前利益は約310億円であった。SBI新生銀行の実質業務純益(業務純益に一般貸倒引当金繰入額を加えた利益指標)は過去10年で最高の758億円であった。

住信SBIネット銀行については、住宅ローン事業において貸出が順調に拡大しJ-GAAPベースの経常利益は前年同期比15.1%増の251億円であった。SBIHDのIFRS取り込みベースの24年3月期第3四半期の持分法による投資利益は、東証スタンダード市場への新規上場時に持分の一部を売却し所有比率が15.81pt低下したにも関わらず同112.6%増の36億円となった。

韓国のSBI貯蓄銀行は、韓国国内の景況悪化に伴う個人信用貸付及び住宅担保融資債権の健全性悪化による貸倒償却負担の増加等が収益を下押ししたものの、消費者の信用低下や不動産業界の不況に底打ち感が観測されているほか、貸倒償却費抑制に向けた施策も奏功し、優良資産の取り込み再

開と併せて今後も業績改善が期待される。保有資金の最適化及び慎重な貸出方針による危険資産の減少により自己資本比率は通期として過去最高となる15.5%(2023年12月末時点)を記録した。
 

保険事業

保険事業の構成企業はSBIインシュアランスグループ、SBI損害保険、SBI生命保険、少額短期保険各社である。

SBIインシュアランスグループの2024年3月期3Qの連結業績(J-GAAP)は、グループ全体の保有契約件数の堅調な増加により、経常収益は前年同期比11.6%増の785億円となった。収入保険料の増収が寄与し、経常利益は同24.2%増の64億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同24.9%増の17億円を計上した。経常収益、経常利益、四半期純利益全てにおいて過去最高となった。期末配当金は、1株当たりの普通配当15円に、上場5周年の記念配当3円を加え、18円の予定である。

資産運用事業

資産運用事業の構成企業はSBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)、SBIアセットマネジメント(SBIGAM子会社)、ウエルスアドバイザー(SBIGAM子会社)、レオス・キャピタルワークス、SBI岡三アセットマネジメントである。

資産運用事業は、資産運用事業は、SBIグローバルアセットマネジメントの業績が好調だったことに加え、2022年11月にSBIグループ入りしたSBI岡三アセットマネジメントの業績の寄与もあり増収増益を達成した。収益は前年同期比57.8%増の215億円、税引前利益は同55.9%増の35億円であった。

レオス・キャピタルワークスは、2024年4月より「SBIレオスひふみ株式会社」を完全親会社とした持株会社体制へ移行予定である。SBIグローバルアセットマネジメントグループの運用資産残高は5.1兆円を突破し、SBIグループはオーガニックグロースとM&Aにより運用資産残高は8.7兆円を突破した。(2023年12月末現在)

投資事業

投資事業はプライベート・エクイティ事業とSBIリーシング事業から構成される。

世界景気の不透明感が強まったことなどから、特に海外においてベンチャー企業の資金調達環境は引き続き厳しさが見られる中、SBIの投資事業は前年同期比で増収増益を達成した。3Q累計の収益は黒字転換し572億円(前年同期は▲26億円)税引前利益も黒字転換し11億円となった。(前年同期は▲332億円)

未上場銘柄について、海外で金利が高止まりしていることから、特に海外のベンチャー企業の資金調達環境は厳しい状況が続いていることに加え、日銀による金融緩和修正観測を背景に2023年末にかけて為替が円高に推移したことにより海外銘柄の公正価値評価に際しマイナスに影響した。

今期通期のSBI投資先のIPO・M&Aの実績数は前期比変わらず22件の予定である。

SBIの投資事業の運用資産残高は(2023年12月末時点)プライベートエクイティ等に7,675億円であった。

暗号資産事業

暗号資産事業はSBI VC トレード、ビットポイントジャパン、 B2C2、暗号資産マイニング事業、HashHub(2023年4月よりグループ入り)から構成される。

暗号資産事業の3Qの累計収益は前年同期比26.9%増の309億円、税引前利益は黒字転換し20億円となった。(前年同期は▲173億円)

第3四半期はビットコインの現物ETFの承認期待による暗号資産価格の上昇を受けて国内外での取引が活発化。これに伴う海外の暗号資産取引フローを取り込んだB2C2の貢献もあり、暗号資産事業の税引前利益は約20億円の黒字を計上した。暗号資産取引所事業では、暗号資産市況が改善した場面での収益化を図るため、顧客基盤を拡大すると同時に、ステーキングなどのストック型収益向上に向けた取り組みを推進している。

次世代事業

次世代事業はバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業、Web3を含むその他の事業である。

次世代事業の3Qの累計収益は前年同期比▲2.0%の197億円、税引前利益は▲21億円と同赤字が拡大した。Web3・デジタルアセット等の先端技術領域において、グローバルでの事業展開に向けた体制整備の順調な進展に伴い先行投資が増加した事が赤字拡大の主な要因であった。バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業では、5-ALA関連事業におけるSBIファーマの業績改善等が貢献し、赤字幅の縮小等が貢献した。
 

SBIホールディングス:2024年3月期予想

業績予想は、投資・証券関連事業は、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいため、SBIは業績予想の開示は行っていない。

アナリストによる投資判断

3Qとして過去最高の収益を達成し、四半期純利益は前年同期比7倍増の好決算であった。次世代事業以外前年同期比増益を達成し好調であった。SBI証券、買収したSBI新生銀行を含む銀行事業、保険事業等の金融事業の伸長が大きく貢献している。SBIの事業展開のスタンスは様々な企業と協業関係を結び積極的なM&Aで拡大するというやり方はよりリスクを抑えた手法であり、殆どの事業で利益を出す事が出来ている。株価は12月から上昇基調であるが、それでもまだPBRは0.93倍と割安である。