東京海上の株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

4,967円

9.79兆円

16.9%

15.9%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

14.1倍

11.3倍

1.9倍

2.44%

N/A

*株価は2024/5/20の終値。

東京海上ホールディングス:2024年3月期通期決算結果

経常収益7兆4,247億円前期比12.3%増
経常利益8,426億円同70.5%増
当期純利益6,958億円同85.7%増

4Q単独の決算結果は

経常収益1兆7,900億円前年同期比20.5%増
経常利益2,528億円同60.4%増
四半期純利益1,783億円同98.3%増

東京海上の2024年3月期通期決算結果は大幅増益で最高益を更新した好決算であった。経常収益は前期比12.3%増の7兆4,247億円、経常利益は同70.5%の8,426億円、当期純利益は同85.7%増の6,958億円であった。海外事業のレートアップや引き受け拡大による好業績と政策保有株式の売却により大幅増益となった。

 

各事業の事業別利益は

TMNF(東京海上日動火災保険)1,014億円前期比▲7.3%
AL(東京海上日動あんしん生命保険)411億円 同12.9%増
海外保険事業4,369億円同99.8%増
その他*1,319億円同65.7%増

* TMNF以外の国内損保や⾦融その他事業、政策株式売却損益など

国内損保の実績は、事業別利益は、⾃然災害予算の下振れの一方で、大⼝事故の増加や円安進⾏に伴う外貨建⽀払備⾦の増加等により、11月予想対比▲35億円の1,014億円となった。対前年では火災のレートアップの効果の一方、自動車の損害率悪化等により▲79億円の減益となった。

国内生保事業の新契約年換算保険料は、競争激化による販売下振れ等により、11月予想を下回って着地した。事業別利益は、トップラインの下振れに伴う初年度負担の減少等により、11月予想対比+61億円で着地した。

海外保険事業に関しては主要拠点がいずれも想定通り好調に増収し、International事業全体でも11月予想通り着地した。対前年では、各拠点における成⻑施策の着実な実⾏(レートアップや引受拡大等)により、+4.8%の増収であった。事業別利益はCECL引当を中⼼とした北⽶キャピタル損の増加(▲約300億円)や⾃然災害の増加(▲約80億円)を、各拠点の好調な保険引受やインカム収益、台湾コロナの反動(+約1,0901億円)、円安進行(+179億円)等で打ち返し+2,183億円の大幅増益となった。

             

事業別概況

【TMNF(国内損保)】

通期の正味収入保険料は前期比+2.2%増の2兆2,194億円となった。保険引受利益(自然災害・各種準備金等の影響控除ベース)は国内外の大口事故の影響等により同▲6.5%の1,779億円だった。国内損保事業の発生保険金は11月予想対比では国内自然災害の減少(▲60億円)の一方で円安進行に伴う外貨建支払準備金積増(+約40億円)や大口事故の影響等により同7.8%の1兆4,705億円となった。

E/I損害率は、発⽣保険⾦の増加に伴い、11月予想を上回って65.9%で着地した。対前年では、トップラインの増収によって事業費率が低下した一方、発⽣保険⾦の増加等に伴いE/I損害率が上昇し、コンバインド・レシオは97.7%に上昇した。

資産運用等損益はネット利息及び配当⾦収⼊(インカム)は11月予想に対し順調に進捗し、前期比439億円増の2,579億円であった。海外子会社からの受取配当⾦およびDFG委託分の運⽤収益の増加により11月予想を上回って着地した。売却損益等計(キャピタル)は政策株式売却額は2,190億円(11月公表対比+240億円)、売却益は1,900億円(11月公表対比+200億円)と11月予想を上回って着地した。ヘッジコストは概ね計画通り、円安進⾏による「⾦融派生商品費⽤」の増加は、「為替差益」の増加と相殺され概ね計画通りであった。この結果資産運用等損益は前期比754億円増の3,192億円であった。

 

【AL(国内生保)】

新契約年間換算保険料は、マーケット全体の外貨建て商品販売拡⼤による回払変額保険の増収ペースの減速、及び保障性商品の競争激化による第三分野の販売下振れ等により前期比▲7.8%の492億円となった。保有契約年換算保険料はトップラインの下振れ、事業保険の解約が想定を上回った事等により同▲2.2%の7,799億円となった。事業別利益はトップラインの下振れに伴う初年度負担の減少等により上振れし、同12.9%増の411億円となった。

 

【海外保険】

海外保険事業は主要拠点( PHLY、DFG、TMHCC、TMK、TMSR、Pure)を中心に好調なレートアップ等により、計画を上回って推移した。前期⽐では、各拠点におけるレートアップや引受拡大により、前期比+4.8%の増収となり正味収入保険料は2兆9,100億円となった。

北⽶
PHLY :   出再コスト増(年初想定通り)はあるものの、好調なレートアップ(2023年通期: +9%)増収であった。正味収入保険料は前期比13.2%増の5,565億円となった。


DFG :   損保(エクセス労災)・生保(就業不能保障・有給休暇補償・団体生保)共に、 良好なレート⽔準のもとで、引受拡⼤できており、基調は好調であり、正味収入保険料は同16.7%増の5,103億円であった。


TMHCC :  A&Hや米国外ビジネスを中心に、着実なレートアップ(2023年通期:+5%(A&H・Surety・Creditを除く))と引受拡大により増収となり、正味収入保険料は同9.4%増の7,734億円となった。

欧州:ロイズ事業において好調なレートアップ(2023年通期: +8%)と引受拡大により好調で、正味収入保険料は同30.3%増の2,207億円となった。

中南⽶: 下期は自動⾞保険の競争激化による料率引下げ圧⼒があるものの、上期までの好調なレートアップと引受拡⼤により、計画通りに進捗し、正味収入保険料は同34.4%増の3,100億円であった。

アジア・オセアニア:経済活動の復調により、自動⾞保険・海外旅⾏保険を中心に、基調は順調で正味収入保険料は同10.6%増の2,700億円となった。

Pure: 堅調な増収で前期比23.4%増の3,046億円となった。

上記の結果、海外保険事業の事業別利益は同99.8%増と大幅増の4,369億円となった。

東京海上HLD:2025年3月期予想

会社計画では二期連続最高益更新の予定である。

経常利益1兆2,000億円前期比42.4%増
当期利益  8,700億円同25%増
EPS440.99円
一株当配当金159円(中間配当79.5円、期末配当79.5円)

会社計画の内訳は国内損保事業が増収増益、政策株式売却額は前期比3,810億円増の6,000億円の見込み、国内生保事業も増収増益、海外事業も増収増益の予定である。

アナリストによる投資判断

決算発表と同時に政策株式について2024年3月末時点時価で3兆5,000億円(簿価約4,000億円)のうち、今期に6,000億円売却、3年間で半減、2030年にはゼロにすると発表した。また、新中期経営計画ではEPSの伸びを3年CAGRで+8%以上、修正ROEを2027年3月期に14%以上(政策株式売却益込みで20%以上)を目標としている。東京海上のグローバルな保険グループとしての圧倒的優位性は不変であり、株価的にもう少し評価されて然るべきではと考えている。