株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
154円 | 12.7兆円 | 34.0% | 10.0% | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
12.9倍 | 12.2倍 | 1.2倍 | 3.49% | 3.7倍 |
*株価は2025/5/9の後場場中の値。
NTTグループ:2025年3月期通期決算結果
営業収益 | 13兆7,047億円 | 前期比2.5%増 |
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営業利益 | 1兆6,496億円 | 同▲14.2% |
当期純利益 | 1兆円 | 同▲21.8% |
4Q単独の決算結果は
営業収益 | 3兆6,550億円 | 前年同期比▲0.07% |
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営業利益 | 2,503億円 | 同▲42.7% |
四半期純利益 | 1,493億円 | 同▲44.4% |
NTTの2025年3月期通期の決算は営業収益は前期比2.5%増の13兆7,047億円となり過去最高を更新したが、人件費、減価償却費等の増加により営業利益は同14.2%減少の1兆6,496億円となった。営業外で金融収益の減少、金融費用の増加等により当期純利益は同21.8%減の1兆円となった。営業利益率は同2.4t低下の12.0%となった。
決算発表と同時に発行済株式の1.81%にあたる15億株、2,000億円を上限とする自社株買いを発表した。
営業利益ベースの各事業セグメントの貢献内訳は
総合ICT事業 | ▲1,239億円 |
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地域通信事業 | ▲1,422億円 |
グローバル・ソリューション事業 | 143億円 |
その他(不動産、エネルギー等) | ▲40億円 |
セグメント間取引消去 | ▲175億円 |
グローバル・ソリューション事業(NTTデータ)のみ増益貢献であった。
ドコモの決算結果は
営業収益 | 6兆2,131億円 | 前期比1.2%増 |
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営業利益 | 1兆205億円 | 同▲10.8% |
EBITDA | 1兆7,606億円 | 同▲5.7% |
当期純利益 | 7,185億円 | 同▲9.6% |
設備投資 | 7,143億円 | 同1.3%増 |
ドコモの事業別決算結果は
コンシューマー | 営業収益 | 4兆5,398億円 | 前期比1.4%増 |
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スマートライフ | 1兆2,279億円 | 同12.6%増 | |
コンシューマー通信 | 3兆3,545億円 | 同▲2.1% | |
営業利益 | 7,047億円 | 同▲14.1% | |
スマートライフ | 2,336億円 | 同14.3%増 | |
コンシューマー通信 | 4,712億円 | 同▲23.5% | |
EBITDA | 1兆2,805億円 | 同▲7.8% | |
スマートライフ | 2,976億円 | 同15.3%増 | |
コンシューマー通信 | 9,829億円 | 同▲13.1% | |
法人 | 営業収益 | 1兆9,027億円 | 同1.1%増 |
営業利益 | 3,158億円 | 同▲2.6% | |
EBITDA | 4,800億円 | 同0.3%増 |
コンシューマーのスマートライフのみ二桁増収増益を達成し、コンシューマー通信は減収減益、法人は増収減益となった。
増収となるも顧客基盤と通信品質強化コスト増により減益となった。
金融収益は前期比15%増の5,160億円となった。投資・融資等の金融サービス全体での収益が拡大した。2024年11月からdカードのプラチナ・カードの提供を開始したが、2025年5月5日時点で60万を突破した。
インテージの子会社化によりコンシューマーのマーケティング・ソリューション収入は同7%増の1,850億円となった。
NTTドコモの営業利益はNTTグループの営業利益の61.9%を占めた。
NTTデータの決算結果
受注高 | 4兆9,616億円 | 前期比3.6%増 |
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売上高 | 4兆6,387億円 | 同6.2%増 |
営業利益 | 3,239億円 | 同4.6%増 |
当期純利益 | 1,425億円 | 同6.4%増 |
営業利益率 | 7.0% | 同▲0.1pt |
受注高は国内は金融機関、法人の受注増、海外では北米のみは受注増、他地域では受注減であったが、為替の影響で増加となり、国内、海外合わせて前期比1,707億円増加した。
売上高は同6.2%増の4兆6,387億円となった。国内は公共・社会基盤が中央府省向け案件の規模拡⼤等により増収だった事に加え、金融・法人も増収でありセグメント全体では1,763億円の増収であった。
海外はGTSSにおけるハイパースケーラー向けデータセンター事業やSAP事業が順調に拡大した。一方でEMEAL、APACでの通信端末機器販売事業の減収等により為替を除くと売上は減少であった。海外セグメント全体では、為替の影響が+1,437億円あり、+963億円の増収であった。
営業利益は同4.6%増の3,239億円、当期純利益は同6.4%増の1,425億円となった。
NTTデータの営業利益はNTTグループの営業利益の19.6%を占めた。
NTTグループ:2026年3月期予想
営業収益 | 14兆1,900億円 | 前期比3.5%増 |
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営業利益 | 1兆7,700億円 | 同7.3%増 |
当期純利益 | 1兆400億円 | 同4.0%増 |
EPS | 12.6円 | |
一株当たり年間配当金 | 5.3円 | 前期2.65円、後期2.65円 |
通期の会社計画は増収増益を予定している。
アナリストによる投資判断
昨日発表のNTTデータ(9613)の完全子会社化、自社株買いを好感してNTT株は後場に3%以上上昇した。NTTデータは世界各国に拠点を持つグローバルIT企業であり、超低消費電力・低遅延ネットワークの次世代インフラのIOWN構想を海外でも加速する上でポジティブな展開である。