【カプコンの決算ポイント】旧作販売の成功により新たな成長段階へ!

 

カプコンの株価情報

株価

(2022/10/27)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

4,110円

8,594億円

73.7%

22.1%

20.5%

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 27倍

23.8倍

5.8倍

1.12%

13.1倍

 

カプコン:2023年3月期2Q決算結果(累計)

売上高491億円前年同期比29.9%減
営業利益219億円同24.3%減
四半期純利益161億円同27.4%減

2Q単体の決算結果は

売上高238億円前年同期比10.5%増
営業利益98億円同84.8%増
四半期純利益71億円同46.2%増

 

前年1Qに大型タイトルの『バイオハザード ヴィレッジ』が発売された事から2Q累計決算では前年同期比で減収減益であったが、2Q単体の決算結果は営業利益が同84.8%増と好決算であった。累計の営業利益率は同3.3pt上昇し44.6%、2Q単体の営業利益率は同16.6pt上昇の41.3%であった。

セグメント別概況は

【デジタルコンテンツ事業】

セグメント売上高(累計)361億円前年同期比39.7%減
セグメント利益218億円 同27.8%減
セグメント利益率55.9%前年同期50.5%
販売本数(コンシューマー)2,130万本前期比7.6%増

2022年3月末に発売した新作『モンスターハンターライズ:サンブレイク』は累計で440万本販売を達成した。また、旧作の価格施策が奏功して2Qに旧作の販売本数(累計)は前年同期比21.6%増の1,605万本を達成した。『モンスターハンターライズ』は累計1,100万本を突破した。『バイオハザード RE:2』は累計1,000万本を突破した。

 

【アミューズメント施設事業】

セグメント売上高(累計)73億円前年同期比29.7%増
セグメント利益6.7億円同845.1%増
セグメント利益率 9.2%前年同期1.3%

今年3月のまん延防止等重点措置の全面解除による来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前年同期比で増収増益となった。総店舗数は1店舗閉鎖をし42店となった。

【アミューズメント機器事業】

セグメント売上高30億円前年同期比87.6%増
セグメント利益17億円同343.4%増
セグメント利益率 56.9% 前年同期24.1%

8月に『新鬼武者2』を10千台発売するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働した。また、10月3日稼働開始の『バイオハザード RE:2』を9月に15千台出荷し、収益に大きく貢献した。

【その他事業】

セグメント売上高27億円前年同期比9.4%減
セグメント利益  13億円同8.2%減
セグメント利益率47.3% 前年同期46.7%

『モンスターハンターライズ:サンブレイク』関連商品の展開を積極展開した。 「鬼武者」初のアニメ作品、Netflixによる全世界配信を発表した。 eスポーツリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022」を9月から開催した。

カプコン:2023年3月期予想

通期の業績の計画を『モンスターハンターライズ:サンブレイク』の好調な売上、過去タイトルを中心としたリピートタイトルの販売拡大により上方修正した。

 

売上高1,250億円前期比13.6%増
営業利益500億円同16.5%増
当期利益 365億円同12.1%増
EPS173.60円
一株当たり配当金46円

 

上期は通期業績計画に対して順調に進捗し、為替もプラスに影響した。旧作伸長により販売本数4,000万本を計画している。『バイオハザード ヴィレッジ』の無償特典タイトル『バイオハザード RE:バース』を10月28日に配信開始を予定している。シリーズ最新作『バイオハザード RE:4』は2023年3月末に発売予定である。
 

アナリストによる投資判断

10月26日の好決算の発表で本日カプコン株は一時9%近く上昇し年初来高値を更新した。カプコンの強さは旧作をホリデーシーズンに価格を下げて売る事により新タイトルに売上が左右されるリスクを低減しているところで、この施策の成功により利益率が大幅に上昇した。NetflixでバイオハザードのCGアニメの放映、バイオハザードの実写ドラマに続き「鬼武者」のアニメ作品の配信も発表した。Netflixとの協業によりバイオハザード・シリーズだけでなく他作品の認知度が上がる事が期待される。現在の株価で予想PERが23.8倍、PBRが5.8倍、EV/EBITDA が13.1倍と割高感はない。

 

投資アイデアをチェック!

他の投資家が何に注目しているか、どんなアイデアを出しているか、アイデアブックで確認してみましょう!

 

執筆者プロフィール

株式会社pafin 

マーケットアナリスト 西村 麻美

西村麻美/mami.png

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。

 

当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。