ソフトバンクグループの株価情報

株価

(2023/5/11)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

5,138円

7.5兆円

20.6%

▲10.2%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

N/A

N/A

0.83倍

0.86%

N/A

SBG:2023年3月期通期決算

売上高 6兆5,704億円前期比5.6%増
税引前損益▲4,691億円赤字転落
当期純損益▲9,701億円赤字転落

 

二期連続の赤字決算であった。当期純損益は▲9,701億円であった。SVF事業からの投資損失はSVF1、SVF2合わせて5兆3,223億円であった。世界的な株価下落傾向を背景に多数の公開投資先の株価の下落し(4Qには一部銘柄で株価上昇)、未公開投資先も、業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映した結果、多数の銘柄で公正価値が減少した。SVFにおける外部投資家持分の減少額は1兆1,279億円だった。

守りの徹底をうたっているが、当期に以下の資金化、投資の縮小を行った。

  • アリババ株式を利用した先渡売買契約により354.6億米ドルを調達した。
  • SVF1および2でUber、KE Holdingsを含む10銘柄の全株式および複数の上場銘柄の一部株式などを合計64.7億米ドルで売却(株式交換を含む)した。
  • 当第1四半期にTモバイル株式21.2百万株を24.0億米ドルで売却した。
  • 当期末以降、アリババ株式を利用した先渡売買契約により41.0億米ドルを調達した。
  • 当期にSVF1および2で合計31.4億米ドルを投資した。(新規および追加投資の合計、株式交換を含む)前期の投資額合計442.6億米ドルから大幅に縮小した。

当期に合計1.4兆円の自社株買いを完了した。自己株式252,958,500株(消却前の発行済株式総数に対する割合14.68%)を2023年3月30日に消却した。 
 

2023年3月期通期の税引前利益の事業別概況

 セグメント利益 
持株会社投資事業 4兆5,605億円前期比43.7倍
SVF事業▲5兆3,223億円前期▲3兆6,258億円
ソフトバンク事業(SBGが40%保有)5,928億円前期比▲30.2%
アーム事業486億円同18.1%増

SBKK事業はセグメント利益は、主にコンシューマ事業やヤフー・LINE事業が減益となったほか、投資損益が悪化したことなどにより、前年同期比30.2%減少した。

アーム事業は過去最高の売上高(米ドルベース)を記録した。前期に非常に好調だった非ロイヤルティー収入が減少したものの、ロイヤルティー収入が引き続き好調に成長し前期比5.7%増となり、過去最高を記録した。インフラ分野におけるシェアの拡大、IoT端末および車載製品への搭載チップ数の増加に伴い、アーム史上最高の売上を記録した。円ベースでは当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートの円安影響により同27.2%増となった。 米ドルベースのセグメント利益は、主に株式報酬費用や株式公開準備に関連する専門家報酬の増加により前期比で横ばいだった。一方、円ベースでは当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートの円安影響により同18.1%増となった。アームは、米SECに対して、同社の普通株式を対象とした米国預託株式(ADS)のIPOに関するForm F-1の登録届出書ドラフトを非公開で提出した。

財務状況

SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は10兆4,897億円と前期末比4兆4,199億円減少した。SVF1は前期末比2兆2,547億円減少、SVF2は同1兆7,548億円減少した。

 投資有価証券の帳簿価額は7兆7,065億円(前期末比4兆6,211億円増加)当期末時点で保有するアリババ株式の帳簿価額4兆8,423億円を計上した。

持分法で会計処理されている投資は7,304億円(前期末比4兆5,041億円減少)アリババを持分法適用関連会社から除外し、アリババの連結簿価4兆5,721億円が減少。アリババ株式は公正価値で投資の成果が測定されるFVTPLの金融資産として「投資有価証券」に計上した。

負債状況はSBGの有利子負債が前期末比1兆1,356億円減少、資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比1兆646億円減少した。

資本の増減は親会社の所有者に帰属する純損失9,701億円を計上し、利益剰余金が減少した。継続的な自社株買いを実施で当期末までに1兆554億円取得した。為替換算レートが前期末から円安となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が1兆3,372億円増加した。これらの結果自己資本比率は前期末21.0%から当期末20.6%となった。

SBG:2024年3月通期業績予想

SBGは業績予想は行なっていない。通信子会社のSBKKの2024年3月期業績予想は売上6兆円(前期比1.5%増)、営業利益は7,800億円(同▲26.4%)、当期純利益利益は4,200億円(同▲21%)を予定している。Zホールディングスの2024年3月期予想は売上1兆9,000億円(同13.6%増)、調整後EBITDA3,560億~3,660億円(同7%~10%増)を予定している。

 

アナリストによる投資判断

二期連続の赤字決算であったが、やはり市場の関心はアームのIPOである。ChatGPTのローンチで世界的にAI導入が加速されている状況でのIPOとなると半導体業界で最大規模になるのではと言われている。アームのNvidiaへの売却断念が怪我の功名となりSBGの新たな成長ステージになる可能性があると考えている。