ソフトバンクグループの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

8,180円

12兆円

21.7%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

▲12.3倍

N/A

1.22倍

0.55%

N/A

*株価は2024/2/9の前場中の値。

SBG:2024年3月期3Q決算

売上高 (累計)5兆19億円前年同期比2.6%増
税引前損益2,641億円黒字転換(前年同期は▲2,900億円)
親会社の所有者に帰属する四半期純損益▲4,587億円赤字縮小(前年同期は▲9,125億円)

前年同期の四半期純損益▲9,125億円から赤字が大きく縮小し、▲4,587億円となった。持株会社投資事業は▲5,389億円を計上した。内訳は投資に係るデリバティブ関連利益2,254億円を計上した一方、アリババ株式に係る実現および未実現評価損失9,430億円した。(アリババ株式に係る実現および未実現評価損失9,430億円は同株式を先渡売買契約に係るデリバティブ関連利益1兆2,047億円で相殺した。)

財務費用4,268億円、為替差損3,082億円(主にソフトバンクグループにおいて米ドル建負債が米ドル建現預金・貸付金を上回っている中、円安となった影響により損失を計上)、デリバティブ関連利益1兆1,803億円はアリババ株式の株価下落に伴い、同株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連利益を計上。

法人所得税は3,838億円、非支配持分に帰属する純利益3,390億円、親会社の所有者に帰属する純損失は▲4,587億円であった。

継続的な資金化を行ったおかげで有利子負債比率(LTV)は1Q末からほぼ横ばいを維持した。アリババ株式を利用した先渡売買契約により43.9億米ドルを調達した。アームの新規株式公開に際して同社発行済株式総数10%相当の持分を売り出し、手取金51.2億米ドルを受領した。SVFによる投資の売却により合計39.3億米ドルを受領した。

投資は拡大した。SVFで合計14.5億米ドルを投資した。ソフトバンクグループおよび100%子会社で戦略投資を中心に合計3,092億円を投資した。

SVFに関しては、活動開始来累計損益はSVF1で167億米ドルのプラス、SVF2で190億米ドルのマイナスであった。2023年11月6日にSVFの投資先であるWeWork Inc.が米国連邦破産法11条に基づく申請をした。WeWorkに対する投資及び財務に関して3Qに計上した損失は2,518億円であった。

2024年3月期3Qの税引前利益の事業別概況

 セグメント損益前年同期比
持株会社投資事業 ▲5,834億円赤字転落(前年同期は3兆6,996億円)
SVF事業▲519.9億円赤字縮小(前年同期は▲5兆67億円)
ソフトバンク事業(SBGが40%保有)7,115億円前年同期比30.4%増
アーム事業▲164億円赤字転落(前年同期は549億円の黒字)

持株会社投資事業では投資の未実現損失を7,625億円を計上した。Tモバイルの株価上昇に伴い同株式に係る未実現評価利益1,152億円を計上した一方、アリババの株価下落に伴い同株式に係る未実現評価損失9,205億円を計上した事によるものである。投資に係るデリバティブ関連利益2,254億円を計上した。

SVF事業に関しては、SVF1は投資額896億米ドルに対しリターンが1,063億米ドル、活動開始来累計利益は167億米ドルだった。SVF2は投資額523億米ドルに対しリターン333億米ドル、活動開始来累計損失は190億米ドルだった。

ソフトバンク事業はモバイルサービスの通信料値下げの影響でコンシューマ事業が減益となった一方、メディア・EC事業およびエンタープライズ事業が増益となったことなどにより、セグメント利益は前年同期比30.4%増の7,115億円であった。

アーム事業は顧客のテクノロジー企業によるAI投資の増加を背景に、アームの事業は堅調に進展。四半期ベースおよび9カ月累計のいずれでもアーム史上最高の売上高を記録した。3Q累計の米ドルベースの売上高は過去最高になったライセンス及びその他の収入が牽引し前年同期比7.1%増であった。(円ベースでは同13.1%増であった。)ロイヤルティー収入が8.0%減(米ドルベース):自動車及びインフラストラクチャー向けチップは力強く成長もスマートフォン及び他のエレクトロニクス向けチップの販売不振を補えなかった。ライセンスおよびその他の収入が34.3%増(米ドルベース):次世代スマートフォン、自動車、コンシューマーエレクトロニクス及びAI向けチップを開発する複数の企業と高価値なライセンス契約を締結した。しかし、セグメント利益は、株式報酬費用の増加や研究開発強化に伴う従業員数の増加が増収影響を打ち消し、▲164億円となった。

財務状況

SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は10兆7,279億円、前期末比2,981億円増加した。SVF1の帳簿簿価は前期末比1,215億円減少した。米ドルベースでは35.3億米ドル減少。投資の売却により29.7億米ドル、3Q期末に保有する投資先の公正価値減少により5.6億ドルそれぞれ減少した。

SVF2の帳簿簿価は前期末比2,624億円増加した。米ドルベースでは2.5億米ドル増加した。主に3Q末に保有する投資先の公正価値減少により12.3億米ドル、投資の売却により5.0億米ドル減少した一方、新規投資及び既存投資先へ20.1億米ドルの追加投資を行った事により増加した。

投資有価証券の帳簿価額は8兆6,199億円(前期末比9,134億円増加)であった。アリババ株式の帳簿価額は3兆7,968億円(前期末比1兆725億円減少)、Tモバイル株式の帳簿価額は2兆941億円(前期末比1兆3,249億円増加):条件付対価の条件充足に伴い同社株式4,880万株(3Q末1兆1,086億円)を無償取得した。PayPay銀行による債券などの資産運用商品への投資の帳簿価額が1,978億円増加し4,866億円になった。

ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比2,356億円増加した。2023年7月に初回任意償還日を迎えた米ドル建ノンコール6年永久ハイブリッド社債(20億米ドル)のリプレイスメント(完了済み)に向け、国内ハイブリッド社債の発行およびハイブリッドローンの借入を実行した。

資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比8,409億円増加した。アリババ株式を利用した先渡売買契約の新規締結により43.9億米ドルを調達した一方、一部の現物決済に伴い株式先渡契約金融負債12.5億米ドルの認識を中止した。

SVFの有利子負債が前期末比8,094億円減少した。SVF1およびSVF2でアセットバック・ファイナンスによる借入金を合計63.5億米ドル返済した。

資本合計で前期末比1兆634億円の増加した。アームの上場に伴う売り出しにより売却相当額6,744億円を資本余剰金に計上。アームの非支配持分は3Q末時点1,773億円。米ドル建ノンコール6年永久ハイブリッド社債の任意償還に伴い、その他の資本性金融商品が2,209億円減少。

親会社の所有者に帰属する純損失4,587億円を計上し、利益剰余金が減少した。為替換算レートが前期末から円安となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が8,526億円増加した。ソフトバンクの非支配持分が社債型種類株式1,200億円の発行等により増加した。

親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は3Q末21.7%(2023/3期末は20.6%)となった。

SBG:2024年3月通期業績予想

SBGは業績予想は行なっていない。通信子会社のSBKKの2024年3月期業績予想は売上6兆600億円(前期比2.5%増)、営業利益は8,400億円(同▲20.8%)、当期純利益利益は4,620億円(同▲13.1%)を予定している。Zホールディングスの2024年3月期予想は売上1兆8,200億円(同8.8%増)、調整後EBITDA3,900億円(同17.3%増)を予定している。

 

アナリストによる投資判断

ARMは2/7に4Qの業績発表を行い、市場予想よりも強い決算だった事から2/8の日中取引で株価が47%強高騰した。これを受けて本日SBGの株価も約10%上昇している。半導体関連株としてSBGは出遅れており、株価上昇余地は大きいものと考えている。