執筆:西村 麻美

ロート製薬の株価情報


【銘柄注目ポイント!】

ヘルスケア企業として中長期的にアジアで利益成長が期待される企業。

株価
(2021/11/17)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
3,255円 3,713億円 63.5% 10.1% 9.3%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
22.2倍 20.6倍 2.2倍 0.93% 10.0倍


2022年3月期第2四半期決算

ロート製薬の2022年3月期の第2四半期決算(累計)結果は

売上高910億円(前年同期比15.5%増
営業利益138億円(同36.7%増
四半期純利益108億円(同88.9%増

売上、各利益段階で過去最高を更新の絶好調な決算だった。日本国内のみならず海外も増収増益だった。海外は中国、香港だけでなくインドネシアやベトナムも好調だった。また、子会社の日本点眼薬研究所、クオリテックファーマも業績好調だった。


日本国内は

売上高569億100万円(同11.3%増
営業利益93億5,900万円(同32.0%増

前期落ち込んだ日焼け止め、コンタクト関連品が増収した。「メラノCC」「デオコ」「ロートV5粒」など話題の商品が好調を維持した。OEMのCOVID抗原キットも増収に寄与した。原価率の改善と販管費の効率的活用により大幅増益した。

インバウンド、越境EC売上は約10.8億円だった。越境EC売上が健闘した。


アジアは

売上高240億5,700万円(同24.4%増
営業利益35億9,600万円(同33.7%増

新生活様式により売上が変化し、マスク着用によりニキビトラブルが増え医薬部外品のメンソレータム・アクネスが前年比30%位まで伸び、一方リップクリームの売上は大きく減少した。


アメリカは

売上高40億2,600万円(同6.3%増
営業利益1億4,700万円(前年同期▲8,800万円)

マスク着用によりニキビ薬の「OXY」が好調だった。原材料・資材等の調達コスト増による原価率の上昇があったものの販売費及び一般管理費の削減により増益した。


ヨーロッパは

売上高50億7,000万円(前年同期比37.4%増
営業利益3億8,500万円(同55.0%増

国内とアジアで人気の「肌ラボ」シリーズをヨーロッパでは日本的なパッケージの仕様にして「Hadalabo Tokyo」として販売しているが、人気を博している。


2022年3月期予想

コロナの反動の増収は上期で一巡するとみており、下期は減速すると会社側は予想しているが、ボラギノールの天藤製薬が下期から連結子会社となるために通期の業績予想を上方修正した。通期の当期純利益を従前予想よりも5.3%上方修正した。

売上高1,900億円(前期比4.8%増
営業利益250億円(同8.7%増
当期利益180億円(同7.5%減
EPS157.8円

決算説明会上で米国Hydrox Laboratories社の買収を発表した。(買収金額は非公表)消毒用アルコール製剤、うがい薬などパーソナルケア製品を病院等の業務用ルートで製造販売する企業で、2020年売上はコロナ特需で5,100万ドル、今期は3,800万ドルを見込む。この買収により高濃度アルコールを含む製品の開発及び既存製品の内製化を促進することが可能となり事業分野の拡大、売上拡大を図る予定である。


アナリストによる投資スタンス

絶好調の中間決算結果であったが、下期に関しては慎重な見方をしている事からか株価は下げ基調である。株価バリュエーションは予想PERが20.6倍、PBRが2.2倍、EV/EBITDAが10.0倍と同業他社に比べてかなり割安な印象があり、中長期的なアジアを中心とする利益成長を考えると買い場かもしれない。


投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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