執筆:西村 麻美

トレックス・セミコンダクターの株価情報

 

【銘柄注目ポイント!】

超小型電源ICの需要がEV、IoT、5Gで大きく拡大。

株価
(2021/11/22)
時価総額自己資本比率ROEROIC
3,865円422億円65.3%4.5%3.6%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR配当利回りEV / EBITDA
45.2倍22.4倍2.0倍1.14%9.5倍

 

2022年3月期第2四半期決算

トレックス・セミコンダクターの2022年第二四半期決算(累計)の結果は

売上高149億円(前年同期比31.3%増
営業利益17億8,300万円(同583.8%増
四半期純利益12億7,200万円(同706.4%増

大幅増収増益の好決算だった。トレックスは、全ての地域が好調で売上高1.5倍増、 営業利益は4倍超増加し、上場来最高益を達成した。子会社のファンドリーのフェニテックも受注好調による稼働率上昇により大幅増収、営業利益は11倍超増加。連結子会社化以後、最高益を達成した。上期の営業利益率は前年同期の5倍強の11.9%となった。海外売上高比率は前年同期比5.0pt低下の66.9%となった。上期平均の為替レートは1USD=110.2円であった。

トレックスとフェニテックの内訳は

トレックス

売上高65億7,700万円(前年同期比49.8%増
営業利益7億6,200万円(同345.6%増

 

フェニテック

売上高84億600万円(同19.8%増
営業利益10億2,100万円(同1047.2%増

トレックスのアプリケーション別売上高は、産業機器が前年同期比38.9%増の22億7,100万円、車載機器は同68.0%増の8億2,300万円、医療機器は同7.7%減の1億800万円、ウェアラブル機器は同28.7%増の1億9,300万円、その他機器は同53.5%増の31億8,200万円だった。

トレックスの地域別売上高は、日本が前年同期比41.8%増の25億3,900万円、アジアが同40.2%増の26億4,100万円、欧州が同57.9%増の7億9,100万円、北米が同29.5%増の6億600万円だった。

フェニテックのアプリケーション別売上高は産業機器が前年同期比4.7%減の14億6,900万円、車載機器が同44.2%増の22億7,200万円、医療機器が同19.6%減の7,400万円、その他機器が同27.6%増の57億1,100万円だった。

フェニテックの地域別売上高は、日本が前年同期比67.0%増の42億6,900万円、アジアが同23.5%増の22億200万円、欧州が同2.5%減の4億9,900万円、北米が同9.8%減の25億5,600万円だった。

 

2022年3月期予想

好調な上期決算結果を受けて、2度目の通期業績の上方修正を発表した。

売上高295億円(前期比24.4%増
営業利益27億円(同123.3%増
当期利益18.9億円(同102.4%増

好調な受注状況が継続する中、工場の稼働状況は逼迫するも製品の安定供給につとめトレックス、フェニテックともに大幅増収の見込みである。営業利益レベルでは、半導体需要増加に伴う原材料価格の高騰が懸念される中、下半期は利益率低下を見込むも、通期ではトレックス、フェニテックともに大幅増益の予想をしている。

 

アナリストによる投資スタンス

11月15日に決算発表後大幅増益、二度目の業績上方修正が好感されて連日株価は上昇している。株価バリュエーションは予想PERが22.4倍、PBRが2.0倍、EV/EBITDAが7.1倍と成長企業なのに割高感は全くない。売上規模は小さいが、競争力のあるパワー半導体メーカーとしての成長ポテンシャルは大きい企業である。

 

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。 
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。

 

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