執筆:西村 麻美

東京センチュリーの株価情報

株価
(2021/2/17)
時価総額自己資本比率ROEROIC
8,070円9,852億円10.3%9.5%1.2%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR配当利回りEV / EBITDA
15.44倍21.88倍1.73倍1.69%69.0倍

 

2021年3月期第3四半期決算

売上高8,934.5億円(前年同期比6.8%増
営業利益594.4億円(同0.8%減
四半期純利益401.5億円(同0.5%減)

微増収減益決算だった。コロナによるレンタカー需要減により国内オート分野は減益だったが、スペシャルティ事業ではACG (Aviation Capital Group)が持分法適用から連結化により100%業績が反映された事によるわずかに増収した。

しかし、NTT・TCリースからの持分法による投資利益が増加したが、資金原価の増加や前期に計上した大口再リース収益の反動減などの要因で四半期純利益は微減だった。

 

事業セグメント別の経常利益およびROA

■国内リース事業分野

経常利益218億円(前年同期比9億円減
ROA2.0%(同0.2pt減

■国内オート事業分野

経常利益74億円(前年同期比89億円減
ROA1.6%(同1.9pt減

■スペシャルティ事業分野

経常利益331億円(前年同期比68億円増
ROA2.0%(同0.1pt減

■国際事業分野

経常利益78億円(前年同期比1億円増
ROA2.1%(同0.1pt増

ROAの低下は国際事業分野を除き、セグメント資産残高が前年同期比で増加している事による。

財政面では、有利子負債は前期末比204億72百万円(0.5%)増加し、4兆2,987億19百万円となった。

純資産合計は、同比271億63百万円(4.1%)増加し6,873億8百万円となった。要因は、利益剰余金が233億3百万円増加、その他有価証券評価差額金が103億75百万円増加、為替換算調整勘定が157億47百万円減少したこと等であった。この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.4ポイント上昇し10.3%となった。

戦略的に進めているプロジェクトは着々と進捗した。第3四半期に実行された主な戦略的プロジェクト内容は以下の通り。

 

✓フィリピン共和国の当社現地法人(持分法適用関連会社:出資比率49%)のBPI Century Tokyo Lease & Finance Corporationの発行済み株式2%を追加取得し、同社を連結子会社化(追加取得後出資比率51%) 

✓アドバンテッジパートナーズとの共同投資第一号案件として、当社、アドバンテッジパートナーズ、ユーグレナ3社でコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスからキューサイの全株式を共同取得 

✓清水建設と清水建設が開発した建物運用のデジタル化プラットフォーム機能を備えたソフトウェア「DX-Core」に、TCのサブスクリプション統合プラットフォーム「TCplats」を連携することで、建物のスマートビル化・サブスクリプション化を実現する協業を開始 

✓JFE エンジニアリング、北京和栄工程技術との 3 社で合弁会社を設立し、中国国内においてオイルスラッジ処理事業を開始することで合意 

✓日本通運と日通商事のリース事業を分社化した新設会社「日通リース&ファイナンス株式会社」の株式持分をTC49%、日本通運49%、損害保険ジャパン2%とし、協業することについて合意 

✓ACGが無担保普通社債7.5億米ドル(利率:年1.95%、償還期限2026年1月)の社債を発行 

 

ACGは3Q(1~9月)の業績は、オペレーティング・リース収入の減少により、売上が減少したものの、前期の大口先破綻に伴う減損の反動などにより前期比で増益であった。

1~9月期の純利益は前年同期比25%増の2,500万USDであった。保有機体数、発注済機体数の推移は4Qに関しては速報ベースであるが、発注済機体数は、ボーイングの737MAXを中心としたキャンセルにより前期末比 92機減少、キャンセルによるコミット残高減少は、約40億USDであった。

航空マーケットの状況としては、国際線・国内線ともに厳しい状況が続くも、ナローボディ機を中心に国内線、特に中国での需要回復が先行している。地域別供給座席量の推移(前年比率)は2020年12月末時点で国際線は▲68%、国内線に関しては、欧州は▲43%、北米は▲32%、アジアは▲12%であった。

2020年3Q末時点でACGのグローバルポートフォリオは流動性の高いナローボディ航空機を中心に世界 40カ国超 85社以上に分散しており、流動性コントロールとして平均機齢は5.5年と機動的なポートフォリオの入れ替えにより若い機齢を維持しており、ナローボディ比率:86%である。

ACGの4Qの資金調達状況であるが、社債を中心とした安定調達と十分な手許流動性を確保している。2020年12月に日本貿易保険(NEXI)の「海外事業資金貸付保険」制度活用などにより、日系金融機関から5億USDの借入契約を締結し、2021年1月に2021年4月償還予定の社債7.5億USD(6.75%)を買入償還し、2026年満期の社債7.5億USD(1.95%)を新たに発行した。コミットメントラインの未使用枠は20.1億USDと現預金の6.0億ドルの計26.1億ドルであった。

 

2021年3月期予想

売上高1兆2,000億円(前年比2.9%増
営業利益700億円(前年比20.8%増
当期利益450億円(前年比20.1%減

戦略的パートナーのNTTグループとの協業であるが、2020年7月の合弁会社設立以降は10月にNTTアノードエナジーと太陽光発電会社の共同事業運営開始をし、更にデジタル事業、モビリティ事業などの成長分野での協業の予定である。

2月8日の決算発表後、翌9日に株価は下落した。貸倒費用増等により経常利益が前年同期比8%減少という事が嫌気されたようである。しかし、今期の計画は順調に進捗しており、第3四半期末時点で通期の当期利益計画の89.2%は既に達成したために、通期決算発表時に上方修正の可能性もあると考える。

 

アナリストによる投資スタンス

本日(2020/2/17)、株価は2%近く上昇した。それでも株価バリュエーションは予想PERが21.88倍、PBRが1.73倍、EV/EBITDAが69.0倍とPERベースでは割安である。中期経営計画で発表した通り、2023年3月期の当期利益が800億円と想定し、発行済み株式数が現状と一緒だとするとEPSは655.3円であり、予想PERは12.31倍となる。NTTグループとの協業が多い事を考えるとリスクはかなり低く魅力的な買い場に思える。

 

東京センチュリーに関する投資アイデア

他の投資家が東京センチュリーをどのようにみているか、アイデアブックでご確認いただけます。

 

プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

 

当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。 
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。 
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。