執筆:西村 麻美

スクウェア・エニックスの株価情報

株価
(2021/8/6)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
6,270円 7,640億円 75.6% 10.9% 11.5%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
27.7倍 31.20倍 3.03倍 0.97% 12.8倍


2022年3月期第1四半期決算

売上高886億円(前年同期比1.8%増
営業利益173億円(同29.5%減
四半期純利益126億円(同11.9%減)

微増収減益決算だった。

デジタルエンタテインメント事業の売上高は前年同期比6.0%減の698億円だった。内訳はHD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームが251億円、スマートデバイス、PCブラウザーゲームが116億円、NMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)は330億円だった。前年に発売したHDゲームの⼤型タイトル「FINAL FANTASY VII REMAKE」等の反動減により、前年同期⽐で減収減益だった。

MMOでは、「ファイナルファンタジーXIV」の月額課金会員数が増加したことにより、前年同期比で増収となった。スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、前期の第2四半期以降に投入した「ドラゴンクエストタクト」、「オクトパストラベラー大陸の覇者」及び「NieR Re[in]carnation」の収益貢献があったことに加え、収益認識に関する会計基準の適用によって収益の表示方法を変更したことから、前年同期比で増収となった。

アミューズメント事業に関しては、前年同期は政府の緊急事態宣言発出を受け、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、国内の店舗を臨時休業とした影響が大きかったことから、売上高は前年同期比で105.4%増の94億円、営業利益は黒字に転換し、3億円だった。

出版事業は電子書籍等のデジタル媒体での販売が大幅に増加し、また紙媒体での販売も好調に推移し、前年同期比増収増益となった。売上高は72億円(同32.6%増)となり、営業利益は32億円(同38.4%増)となった。

ライツ・プロパティ等事業は前年に自社コンテンツの新規キャラクターグッズ等の投入があった事から前年同期比で減収減益になった。売上高は27億円(同12.1%減)、営業利益は9億円(同23.9%減)だった。


2022年3月期予想

業績予想は従前予想を維持した。

売上高3,400億円(前期比2.2%増
営業利益400億円(同15.2%減
当期利益240億円(同10.8%減

減益予想をしている。新作は6月にPS5向け「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」、同月にPS4、Switch向け「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」に発売し、9月に海外で「Life is strange, True colors」、10月に全世界で「Marvel‘s Guardians of the Galaxy」の発売を予定している。また、MNOで11月に「Endwalker」、同月に「Dragon Quest X」の発売を予定している。


アナリストによる投資スタンス

決算発表の翌日は株価はMNOのFF14の月額課金が伸びている事が評価されて10%近く上昇したが、連休明けの本日(2021/8/10)は小幅下落している。株価バリュエーションは予想PERが31.20倍、PBRが3.03倍、EV/EBITDAが12.8倍と減益予想に関わらず割高な印象がある。


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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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