株価225.91ドル(日中取引終値)
時価総額3.435兆USD(約522兆円)
自己資本比率15.6%
ROE 160.58%
ROIC 35.41%
PER(実績)35.02倍
PBR52.44倍
配当利回り0.43%
EV/EBITDA 26.18倍

 *注:株価は2024/10/31時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2024年4Q決算結果

売上高949億ドル (約14.4兆円、前年同期比6%増、3Q比11%増)
営業利益296億ドル(同10%増、同17%増)
営業利益率31.2% (同1.1pt増、同1.6pt増)
四半期純利益147億ドル (同▲35.8%、同▲31.3%)
希薄化後EPS0.97ドル 

iPhone16売上が好調であった事から4Qとして最高売上を達成し、売上高は前年同期比6%増の949億ドル、営業利益は同10%増の296億ドル、営業利益率は同1.1pt増の31.2%、四半期純利益は同▲35.8%の147億ドル、希薄化後EPSは0.97ドルであった。四半期純利益の大幅減少はEUからアップルに課された独禁法違反の罰金によるもので、アップルの説明によればこの罰金がなければEPSは前年同期比12%増の1.64ドルであったと会社側は説明をしている。

売上、EPS、iPhone売上は市場予想を上回ったが、懸念材料は中華圏での売上減少である。中国では一部の公的機関でiPhoneの使用禁止は継続しており、合わせてファーウェイのスマホが好調な事もあり中華圏での売上は市場予想を下回った。

 

製品別売上

iPhone462億ドル前年同期比5.5%増
Mac77億ドル同1.7%増
iPad69.5億ドル同7.9%増
ウェアラブル、ホーム&アクセサリー90億ドル同▲3%
サービス249.7億ドル同11.9%増
総売上高949億ドル同6%増

iPhoneはiPhone16の販売が好調であり、前年同期比5.5%増の393億ドル、Macは同1.7%増の77億ドル、iPadは3Qに発売された新型iPadのセールスが引き続き好調で同7.9%増の69.5億ドル、ウェアラブル、ホーム&アクセサリーは同▲3%の90億ドルであった。サービス売上は同11.9%増の249.7億ドルとなり過去最高売上を更新した。

 

地域別売上                                   

南北アメリカ大陸416.6億ドル前年同期比3.9%増
ヨーロッパ219億ドル同11%増
中華圏150億ドル同▲0.3%
日本59億ドル同7.6%増
アジア太平洋74億ドル同16.6%増
総売上高949億ドル同6%増

中華圏のみ減収で他地域は増収であった。4Qとして最高売上をアメリカ、ブラジル、メキシコ、フランス、イギリス、韓国、マレーシア、タイ、サウジアラビア、UAEで記録したとEarnings call上で開示した。中国に関してはアップルは最新のiPhone16にiPhone16 Plusを10%割引、iPhone16 Maxを4%割引で販売等需要の喚起の施策を行っている。

 

1Q2025のガイダンス

総売上高は前年同期比一桁台前半から半ばの増加、うちサービス売上は二桁増を会社では計画している。 

業績推移

Apple  4Q231Q242Q243Q244Q24
(単位:百万USD)     
売上     
 プロダクト売上67,18496,45866,88661,56469,958
 サービス売上22,31423,11723,86724,21324,972
総売上高89,498119,57590,75385,77794,930
粗利益40,42754,85542,27139,67843,879
粗利益率  45.2%45.9%46.6%46.3%46.2%
営業費用     
 研究開発費7,307  7,696 7,9038,0067,765
 一般管理費6,151  6,786 6,4686,3206,523
営業費用合計13,45814,48214,37114,32614,288
営業利益26,96940,37327,90025,35229,591
営業利益率  30.1%33.8%30.7%29.6%31.2%
営業外収益(費用)ネット29   -50  158   14219
税引前利益26,99840,32328,05825,49429,610
法人税等4,042 6,407 4,422 4,04614,874
純利益22,95633,91623,63621,44814,736
完全希薄後株式数15,67215,57715,46515,34815,243
完全希薄後EPS     1.46   2.18  1.53  1.400.97
      
営業キャシュフロー21,59839,89522,69028,85826,811
設備投資2,163  2,392 1,996  2,1512,908
フリーキャッシュフロー19,43537,50320,69426,70723,903

(注:アップル社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

 

業績予想コンセンサス(決算発表前時点) 

 2Q(実績)3Q(実績)4Q(実績)1Q25(予想)
売上高(百万USD) 90,75382,89094,930127,530
完全希薄化後EPS1.531.300.972.38

(注:株式会社pafin調べ)

 

投資判断

AI機能のApple Intelligence搭載のiPhone16の好調な売上と過去最高のサービス売上に牽引され4Qとして最高売上を記録した。EUからの制裁金により四半期純利益は減少した。中国市場での売上減速が値下げをしても止まらず、ファーウェイのスマホ販売の好調に押されており、米中関係もあり中国市場での立て直しは難しい状況である。しかし、中国以外の地域では先進国、発展途上国含めてiPhone販売は好調である。

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