株価676.49USD(日中取引終値)
時価総額1.7兆USD(約264兆円)
自己資本比率66.2%
ROE 36.13%
ROIC 33.52%
PER(実績)31.82倍
PBR10.35倍
配当利回り0.30%
EV/EBITDA 21.35倍

*注:株価は2025/1/29時点。ROE、ROICは過去12カ月の実績数値。

2024年4Q決算結果

売上高484億ドル(約7兆5,020億円、前年同期比21%増)
営業利益234億ドル (同43%増)
営業利益率48% (同7pt増)
四半期純利益208億ドル(同49%増)
希薄化後EPS8.02ドル

大幅増益で売上、四半期純利益ともに最高を更新した。メタではAIとアルゴリズムを広告配信に利用して最適化しているが、精度が上がりfamily(FB、Instagram、WhatsApp)の4Qのインプレッション数は前年同期比6%増、広告収入は同21%増、広告単価は同14%増であった。

人員数は同10%増の74,067人となった。営業利益率は同7pt増の48%、営業利益は同48%増の234億ドル、四半期純利益は同49%増の208億ドルとなった。

Facebook、Instagram、WhatsAppのfamilyの4Qのデイリー・アクティブ・ピープル数(DAP)は同5%増の33億5,000万人であった。Familyの一人当たり売上(ARPP)は同16%増の14.25ドルであった。

4Qの広告単価は前年同期比14%増と3Qの11%増より加速し、5四半期連続広告単価の前年同期比プラス成長となった。

事業別内訳

Family of App*のセグメント売上(広告収入等)473億ドル前年同期比21%増
Reality Labの売上10.8億ドル同1.1%増
総売上高484億ドル同21%増

 

Family of Appのセグメント利益283億ドル前年同期比34.7%増
Reality Labの損益▲49.67億ドル赤字拡大
営業利益234億ドル同43%増

 *注:Family of Appは Facebook, Instagram, Messenger, WhatsApp。

事業別の内訳は上記であるが、Familyの広告収入、その他は前年同期比21%増の473億ドル、セグメント利益は同34.7%増の283億ドルであった。AR/VRを手掛ける部門のReality Labの売上は同1.1%増の10.8億ドル、セグメント損益は赤字が拡大し▲49億6,700万ドルであった。

4QはホリデーシーズンのためにReality Labの売上は3Q比4倍増となったが、損益は赤字が拡大し、黒字化はほど遠い印象がある。

財務状況、自社株買い、配当

4Q末時点の現預金及び短期有価証券の残高は前年同期比19%増の778億ドルであった。営業キャッシュフローは同44%増の279.88億ドル、設備投資額は同90%増の144億ドル、フリーキャッシュフローは同14%増の132億ドルとなった。

4Qにメタは自社株買いは行わなかったが、2024年通年で297.5億相当の自社株買いを実行し、配当は4Qに12.7億ドル、2024年通年で50.7億ドル行った。

1Q2025 のガイダンス

1Qの総売上は395億~418億ドルのレンジ、前年同期比8%~15%増を会社側は予想している。この会社予想は市場予想を下回るものであった。2025年通年の総コストは1,140億~1,190億ドルとしている。総コストのうち一番大きいのは設備投資は2025年通年で600億~650億ドルと2024年通年の設備投資額373億ドルより61%~74%増の予定である。   

投資判断

AIの利用で広告精度が上がり、広告単価も5四半期連続上昇しており最高益を更新した決算であった。ハイパースケーラーの中でメタはAIを本業の広告事業に最大限に活かしており、株価は2024に65%上昇した。しかし、DeepSeek-R1の登場で巨額の設備投資に対してそれだけのリターンがあるのかと市場は懐疑的になっており、黒字化には程遠いAR/VR事業もリスク要因である。

サムネイル画像クレジット:AM NIKOM/Shutterstock.com