株価414.99USD(日中取引終値)
時価総額3.085兆USD(約457兆円)
自己資本比率56.7%
ROE 35.6%
ROIC 22.07%
PER(実績)36.53倍
PBR11.43倍
配当利回り0.75%
EV/EBITDA 22.94倍

                        *注:株価は2025/1/30時点。ROE、ROICは過去12か月の実績数値。

2025年2Q決算結果

売上高696億ドル(約10兆7,184億円、前年同期比12%増)
営業利益317億ドル (同17%増)
営業利益率45.5%(同1.9pt増)
四半期純利益241億ドル(同10%増)
希薄化後EPS3.23ドル   

売上高と営業利益が四半期として最高を記録した決算であった。売上高は前年同期比12%増の696億ドル、営業利益は同17%増の317億ドル、営業利益率は同1.9ptの45.5%、四半期純利益は同10%増の241億ドル、希薄化後EPSは3.23ドルであった。しかし、クラウドコンピューティングのAzureの売上の伸びが1Qの33%から鈍化し、市場予想の32%を下回り同31%増だった事が嫌気され時間外取引でマイクロソフトの株価は4%以上下落した。決算発表翌日の30日の日中取引でも株価は6%強下落した。

粗利益率は同0.3pt増の68.7%となり、運営費用は同5%増の162億ドルとなり、このうち一番大きな費用はクラウド・エンジニアリングへの設備投資によるものであった。営業外損益は▲23億ドルで持分法適用会社のOpenAIによる損失とGM傘下の自動運転会社のCruizeの持分投資でロボタクシー撤退に関連する減損費用が大半であった。

2Qの設備投資(ファイナンス・リースで取得した資産を含む)は226億ドルで前年同期比96.5%増、1Q比%13%増とクラウドとAI関連の投資を加速した。

2Q中にマイクロソフトは自社株買い35億ドルと配当62億ドルで計97億ドルを株主に還元した。

引き続き法人向け需要とクラウドが好調であった。"Microsoft 365 Commercial products and cloud services" は15%増、Azureは31%増、Azureを含むサーバーとクラウド・サービスは20%増であった。また、AI関連の売上は2Qの売上をベースに年換算すると130億ドルを超えた。

セグメント別内訳

  • Productivity & Business Processes事業法人および個人顧客向けの”Office”、”Office 365”、”Dynamics”と”Dynamics CRM Online”等。
セグメント売上高294.4億ドル前年同期比14%増
セグメント利益168.9億ドル同16%増
セグメント利益率57.4%同1.2pt増

“Microsoft 365 Commercial products and cloud services”の伸びに牽引されセグメント売上は前年同期比14%増の294.4億ドルとなった。粗利益は同13%増であったが、AIインフラの拡大により粗利益率は若干低下した。運営費用は同6%増加し125.5億ドル、セグメント利益は同16%増の168.9億ドルとなった。

 

  • Inteligent Cloud事業:”Windows Server” ”SQL Server””System Center” ”Azure””Enterprise Services”などのサーバ製品およびサービス等。
セグメント売上高255.4億ドル同19%増
セグメント利益108.5億ドル同14%増
セグメント利益率42.5%同▲1.9pt

Azure他の伸びに牽引されてセグメント売上は前年同期比19%増の255.4億ドルとなった。粗利益は同12%増加したが、AIインフラの拡大により粗利益率は若干低下した。クラウド・エンジニアリング関連の投資により運営費用は同10%増加したが、セグメント利益は同14%増加の108.5億ドルとなった。

 

  • More Personal Computing事業:”Windows”OSのライセンス収入、”Surface”や等のデバイス類、”Xbox”などのゲーム製品、検索型広告等
セグメント売上高146.5億ドル前年同期比フラット
セグメント利益39.2億ドル同32%増
セグメント利益率26.8%同6.6pt増

セグメント売上高は前年同期比フラットの146.5億ドルとなった。粗利益は同13%増で売上ミックスの改善によるものであった。運営費用は▲1%、セグメント利益は同32%増の39.2億ドルとなった。

3Q2025のガイダンス

3Q2025の事業別の売上のガイダンスはProductivity & Business Processes事業の売上が294~297億ドル、Inteligent Cloud事業の売上が259~262億ドル、このうちAzureの売上の伸びは前年同期比31%~32%増、More Personal Computing事業の売上は124~128億ドルを予想をしている。

投資判断

Azureの売上の伸びの鈍化にマーケットは反応したが、クラウドの競合であるAmazon.com、アルファベットの決算がまだ出ていないために比較できない。それよりも大きな懸念は巨額のAI投資を加速し続けている事と赤字を拡大し続けているOpenAIへの投資である。

サムネイル画像クレジット:AM NIKOM/Shutterstock.com